沖縄企業の7割が仕入れ値上昇 価格転嫁で家計直撃 海邦総研が調査

 
業種別にまとめた仕入れ値の状況(ニュースリリースより)

 シンクタンクの海邦総研(新崎勝彦社長)が県内企業における仕入れ値上昇と価格転嫁の動向を調査した。対象企業365社のうち、267社(69.3%)が1年前と比較した仕入れ値が「上昇している」と回答。その内の62.8%が主要商品やサービスの価格に「転嫁している」「今後転嫁する」とした。ウクライナ危機などを要因としたさまざまな原材料、資源の世界的な高騰が、県内企業の経営にも大きく影響を与えていることが浮き彫りとなった。

 調査は3月1日に県内に本社所在地がある企業2,000社(調査対象有効企業は宛先不明として返送されていた25社を除く1,975社)に調査票を発送し、同24日の到着分までを集計した。回答企業数は385社で、回答率は19,5%だった。

飲食サービス業で上昇顕著 家計直撃

イメージ写真

 仕入れ値の上昇が最も顕著だったのは飲食サービス業。小麦や食肉、油などの食材が値上がりし、92.8%が「上昇している」と答えた。割合が高い順に製造業90.3%、建設業の85.2%、卸売・小売業80.6%、医療・福祉75.1%と続いた。

 一方、飲食サービス業については「価格転嫁している」とした企業は15.4%に留まり、低水準となった。海邦総研は「現状も新型コロナウイルス感染症拡大の影響を強く引きずっていて、需要が低減した状況が継続している。今後需要が回復していく中で、価格転嫁が進んでいくと推察される」と今後を見通す。

 製造業でも「取引先との関係を維持」「取引先との交渉が困難」などの理由から価格転嫁ができない業者が多く見られた。常に一定量の原材料などを仕入れる業種特性もあり、サプライチェーン維持の観点から転嫁がしにくい状況があると分析するが、今後利益確保のため転嫁が進むことが見込まれるという。

 価格転嫁ができない理由では、業種全体で「他者との価格競争が厳しいため」との回答が最も多かった。

業種別にまとめた販売価格の転嫁状況(ニュースリリースより)

資材高騰続く建設業 住宅取得環境が悪化

 建設業では数年に渡り、さまざまな資材の高騰が続いている。木材価格の高止まりが続く「ウッドショック」などもあり、消費者側も資材価格の高騰は周知の事実であることから転嫁は比較的スムーズに進むと見る。そのため「県民の住宅取得環境はさらに悪化することが予想される」とした。

 卸・小売業はヒアリングの結果、業界全体で取引価格の値上げ交渉が大幅に増えているという。今後さまざまな商品で値上げが進むとの予想だ。

 上昇した仕入れ値の内訳は、割合が多い順に燃料費69.3%、材料費61.8%、製品または商品価格44.9%、運送費30.3%となった。

 足元でも幅広い商品で価格転嫁が進んでいるが、海邦総研は飲食サービス業や製造業などすぐに価格転嫁しにくい事情を抱える業種があることを念頭に「今後、こうした業種による価格転嫁が第2波、第3波と続くことが想定される」と予測した。

 その上で「現状ではそのまま県民の家計を直撃し、消費生活の厳しさが増すことが懸念される。県内企業においては、コスト増加分はしっかり価格転嫁し、利益を確保した上で、賃金等に還元していくサイクルを確立するスタンスが求められるだろう」と提言した。

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