東京の倉庫余剰お菓子は南風原の子どもたちへ パパ社員の想い

 
(イメージ写真)

 倉庫業や物流業などを行う株式会社ダイワコーポレーション(東京都)は、これまでならば廃棄されていたお菓子類を、沖縄本島南部・南風原町の児童館や学童クラブへと無料で届けている。子育て真っ盛りの2人の社員の想いから始まったこの取り組みは、日本列島を縦断したお菓子を介して子どもたちの笑顔を生んでいるだけでなく、フードロス削減と子育て支援にも同時に寄与するものだ。

返品で生まれたフードロス

 学童クラブにおやつの献立や配送を行う株式会社ウィライツ(東京都)と協力して実現したこのプロジェクト。段ボール箱20箱前後のお菓子を2021年の7月から2週間に一度、南風原町役場と南風原町社会福祉協議会にそれぞれ送っている。お菓子は役場や社協を経由して、町内の各施設に届けられる。届けられたお菓子は運動会の景品にも使われるなど、一般的なおやつの枠を超えて大活躍中だ。

 きっかけは、ダイワコーポレーションの社員が強く抱いた「もったいない」の気持ちだ。ウィライツの配食業務の中で、当日にキャンセルが発生されるなどしてダイワコーポレーションの倉庫に戻ってきてしまったお菓子が、日々廃棄されている現状があった。食べられるお菓子を廃棄するための費用がかさむという、ダブルの悪影響にも頭を悩ませていた。

 ダイワコーポレーションの佐藤集英さん(33)は、プライベートでも子ども同士を遊ばせるなど仲の良い同僚の岡部貴洋さん(29)に、こう告げた。「何か面白いことやろう」。その時の佐藤さんの目を、岡部さんは「イキイキとした目だった」と思い出す。

 ベッドタウンで子育て世代も多く、待機児童問題も抱える南風原町。社としては今後、南風原町に倉庫を建設する予定で、これからお世話になる町に貢献したいという願いもあった。

ダイワコーポレーションの岡部貴洋さん(左)と佐藤集英さん(同社提供)

子どもの貧困率が高い沖縄の力に

 沖縄県の子どもの貧困率やひとり親家庭が多いことにも着目した。

 沖縄県が2015年に実施した調査によると、沖縄県の子どもの貧困率は29.9%で、全国の13.9%と比べて約2倍もの高い水準だ。

 その一方で、農林水産省によると日本国内では年間約612万トン(東京ドーム5杯分)の食糧が捨てられており、一人当たりでは毎日茶碗1杯分のご飯が捨てられていることになる。ダイワコーポレーションでは今後もこの取り組みを続けていく考えだ。

子どもたちからも感謝の手紙

 南風原町役場へと届けられたお菓子は、町内4児童館と25の学童クラブに振り分けられているという。町役場の担当者は「子どもたちは笑顔で喜んでいます。大変助かります。おやつを頂いている分、よりよい保育運営に(予算を)回すことができます」と感謝する。ダイワコーポレーションには、南風原町の子どもたちから色鮮やかなお礼の手紙が届けられ、交流が生まれている。

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長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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