衆院選で沖縄の保育現場が盛り上がっている理由 若者の立場で選挙を読む

 

 政府は積極的に国内旅行をしてもらい、経済を再活性させようとGoToキャンペーンに打って出た。しかし祖慶さんは「GoToキャンペーンで個人旅行客は増えたかもしれませんが、ツアー客は増えませんでした。ツアー客が増えるような工夫があれば」と別の政策に期待を募らせる。と同時に、一度は落ち着いたコロナ感染者数が、特に離島県の沖縄でこれ以上増えないようにと水際対策の徹底にも言及する。

 減ったバスガイドの仕事の代わりに、この衆議院選期間中はウグイス嬢としても活動した。「私はウグイス嬢の仕事を通して政治に興味を持てました」と話すものの、やはり友人同士などでは選挙が話題になることがほとんどないという。「ウグイス嬢をしていなければ自分も興味を持てていなかったと思いますし、友人たちが投票に行くのかも分かりません。候補者の年代が近ければ、若い人も興味を持つ人が増えるかもしれません」と話し、前回と似たような顔ぶれの選挙では、なかなか自分の意思を反映させる対象にはなりにくいようだ。

福祉支援員「福祉は政治的優先度が低いのでは」

 宜野湾市でTシャツプリントなどを手掛ける就労継続支援B型事業所「アクティブ」の支援員・山入端嘉比沙さん(35)は、普段から障がい者など、いわゆる“社会的弱者”と呼ばれる人と一緒に仕事をするなど、同じ時間を過ごすことが多い。政治家に対しては「少数派の意見も大事にしてほしい」と同僚の立場になって託す。

 もちろん、福祉の現場も政治と密接に関わる分野だ。国会で行われる法改正では、福祉施設や利用者への報酬額が変動したり、行える活動の幅に差が出たりすることがある。しかし、福祉の分野は政治的な議論がなかなか成熟しきらないとも山入端さんは感じている。

「沖縄の政治関心は基地や経済、観光業などに集中していて、福祉については優先順位があまり高くはないのかもしれません

 福祉を遠く感じてしまっている分、当事者でも福祉を利用するまでの行動に至らない人も多く、福祉事業所と近隣の企業との結びつきもまだまだ発展途上だという。「福祉は身近にあるよ、ということをもっと当事者の方にも知ってほしいですし、一般企業にも福祉事業所が身近なビジネスパートナーとなり得ることを知ってほしいです」

 下落傾向にある投票率について「『自分が投票に行ったところで何も変わらないし、面倒くさい』と思う人も多いと思います。政局バランスがもっと流動的になれば興味を持てる人も増えるのではないでしょうか」と思いを馳せる。

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長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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