コロナ前に立ち上げた遠隔トレ好調 県出身末吉さんら東京で運営

 
「ZENNA」のチーフトレーナー・末吉史英さん(ジザイエ提供)

 コロナ禍の巣ごもり需要で、あらゆる分野での「リモート化」が進んだ。社内外での会議、飲み会、お見合い。記事を書くための取材もそうだ。さらに、筋トレやヨガなどの健康づくりの分野でもその傾向は当然のように一般化しつつあると言える。

 そんな中、株式会社ジザイエ(東京都、中川純希代表)が運営する、1対1のオンラインパーソナルトレーニング「ZENNA(ゼンナ)」は、コロナ禍以前の2019年7月からすでにサービスを開始している。沖縄県浦添市出身でトレーナーの末吉史英さんらが中心となって立ち上げたもので、巣ごもり需要と相まって有料会員数が2020年秋ごろから急増するなど好調だ。

 同サービスがコンセプトの一つに掲げる「トレーナーのスター化」の一環で積極的にSNS発信をしていき、“この人からトレーニングを受けたい”というきっかけを作り出す。トレーナー第1号となった末吉さん自身も街中で「YouTube見ましたよ」と声をかけられるなど、新たなマーケティング手法が奏功している。

全国初のサービス

 ZENNAは1対1のパーソナルトレーニングとしては全国初のサービスとなる。Zoomを使って自重トレーニングが中心だ。

 オンラインで始めたきっかけの一つは、もともと末吉さんのトレーニングを受けていた人が転勤でインドに引っ越したことだった。引き続き末吉さんのトレーニングを受けたいとのニーズに応える形で、SkypeやLINEを活用して指導を行っていたという。
 その矢先、別で末吉さんのトレーニングを受けていたジザイエの中川代表も「それができるなら自分たちも」とオンラインでトレーニングを始めたことが、ZENNAの種となった。

 当初は海外に住む駐在員の妻らが顧客の中心だったものの、コロナ禍での在宅需要により国内での会員数が増加。目標値を2倍ほど上回る150人以上となり、今後はオンラインの強みを生かし海外の顧客層にも展開していく構えだ。

 末吉さんはチーフトレーナーを務めており、YouTube動画では3万4000回以上を再生する動画もあるなど、ZENNAと顧客が出会う窓口にもなっている。

解剖学の研究員など歴任

 末吉さんは琉球大学理学部を卒業後、当初はスポーツウエアのデザイナーを目指して服飾学校の名門・文化服装学院に入学。そこで受けた解剖学の授業に関心を深め、同学院グループの研究所で解剖学の研究員となった珍しい経歴を持つ。研究員として活動しているうちに「もっとこの知識を直接的にサービスとして届けたい」という思いから、パーソナルトレーナーとしてのキャリアを歩み出した。解剖学の知識を生かして、体づくりについてなどの個別の悩みを解決に導いていく。

コミュニケーションにも需要「沖縄の人、向いている」

 ZENNAでは、トレーニングの方法論や技術的な話はもちろん、お客さんとのコミュニケーションそのものも大事にしている。食生活やモチベーション維持なども含めた生活スタイルのコーチングを求める声が高まっていたことが背景の一つにある。

 末吉さんは、オンラインパーソナルトレーニングと沖縄の人材がマッチしている、との感覚を得ている。「1対1で話していく中で出てくる人柄がプラスに働くサービスです。沖縄の人にある人柄の良さは、世界的にも届ける価値のあるものだと思います」

 末吉さんは「私自身が沖縄出身ということで、自分の中では一貫して『沖縄を盛り上げていきたい』です」と、自身のテーマを胸に抱き続ける。

 オンラインには、距離や時間を飛び越えられるというメリットがある。「沖縄にいながらにして(世界を相手に)働けますし、沖縄の気候風土に憧れて健康的な生活をしたいという人が、県外からも沖縄に来て働くことができます。このことは、地方再生にも生きるはずです」

 離れて暮らしながらも思いを馳せる故郷の大きな魅力が「人柄」であることを見出した末吉さん。その強みを武器にして世界へと羽ばたこうとするZENNAの挑戦は始まったばかりだ。

■関連リンク
株式会社ジザイエ
https://jizaie.co.jp/

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長濱 良起

投稿者記事一覧

フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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