6日間で宮古・八重山からの住民避難を想定 図上訓練実施
- 2024/1/31
- 社会
沖縄県を取り巻く情勢が悪化した場合に備え、宮古・八重山5市町村の約12万人を県外に避難させることを想定した「2023年度沖縄県国民保護共同図上訓練」が30日、沖縄県庁で行われた。訓練では、おおむね6日間で住民を避難させる計画が示された。
訓練には、県や5市町村のほか、防衛省、消防庁、海上保安庁、内閣官房、航空各社なども参加。宮古・八重山住民の避難先は、九州各県と山口県を想定している。
玉城デニー知事は冒頭、「国際情勢の厳しさが増し、複雑化している中で、政府に対しては引き続き平和的な外交と対話による緊張緩和と信頼醸成の取り組みを求めている。一方、万が一の場合に備えて、国民保護に関する対処能力の向上を図ることは重要だ」とあいさつした。
県によると、通常時に宮古・八重山から住民を輸送する能力は1日当たり約9200人。12万人を輸送する場合、13日程度かかる計算となる。
今回の訓練では、輸送力を最大化するため、各空港の駐機スポットを最大限に活用することや、船舶における臨時定員の調整などにより、通常時の2倍を超える1日当たり約2万人の輸送能力を確保できる見込みが示された。
単純計算では、避難に6日間程度かかる輸送能力が確保できることになる。訓練では、宮古・八重山の5市町村が、それぞれ現状での避難想定を報告した。課題なども共有された。
訓練後、多良間村の来間玄次政策参与・総務財政課長は「九州や山口県のどこに避難することを想定しているかを、決めてほしいとお願いした。そこが決まれば、(通常から)交流や話し合いができる」と述べた。
今後の課題としては「畜産の島なので、牛や世話する住民の一時避難場所が必要ではないか」と語った。