県系人若者の軌跡を追った書籍出版 多言語のリレーコラムで
- 2022/9/30
- 社会
10月31日から本日程が始まる「第7回世界のウチナーンチュ大会」が控える中、世界各国に住む沖縄県系人の若者の物語や思いをまとめた書籍『わったー世界のウチナンチュ!海外県系人の若者たちの軌跡』(野入直美、藤浪海、眞壁由香編著、琉球新報社)がこのほど出版された。各市町村の研修事業などで沖縄を訪れたことのある県系人らがそれぞれの目線で「ウチナーンチュ」であることへの誇りを綴っている他、海外移民の歴史やウチナーネットワーク構築の取り組みなどが多言語のリレーコラム形式で紹介されている。
8月には那覇市内で出版記念イベントが開催され、編著者である藤浪海さん、眞壁由香さん、翻訳を担当しコラムも執筆した宮城エリカさんの3人が登壇し、世界のウチナーンチュのネットワーク構築やアイデンティティーの継承などの在り方を共に考えた。
ヒスパニック文化センター代表の眞壁さんは、海外研修生受け入れ事業が「世界のウチナーンチュ」をつないでいることの重要性について「各国から沖縄に来る研修生の『同時期に沖縄にいた』というつながりが強いです」と話し、ボリビア出身の県系人である宮城さんも「自国で日系人同士がつながるということはありましたが『沖縄』というくくりでつながれるイベントなどはありませんでした。沖縄で他の国の県系人同士が友だちになれるというのは本当にすごいです。お互いの国に帰っても未だに付き合いが続いています」と重ねた。
宮城さんは各国にある研修生のOB・OG会についても触れ「研修時に触れた日本語を忘れてしまったとしても、沖縄の文化を残そうという思いは強いです。海外にも沖縄に根付く考え方とかゆいまーる精神のような感覚があって、それが県系人が沖縄を好きにさせるんだと思います」と話した。