セリーグキャンプ地の首長YouTube撮影 政治抜きで球団愛の応酬
- 2022/3/7
- エンタメ・スポーツ
プロ野球セ・リーグの球団が春季キャンプを行う沖縄県内の市町村長が3月6日、浦添市内のスタジオでYouTube動画の収録に参加し、昨シーズンの振り返りや新シーズン動向予想などで“激論”を交わした。キャンプチームのユニフォームに身を包んで、それぞれの街の「ごひいきチーム」の良さをアピール。政治的な話は一切抜きの約30分間。普段の公務の場ではなかなか見ることのできない和気あいあいとした「平場の雰囲気」で、冗談も飛ばし合いながら野球愛を語り合った。
浦添市長の呼びかけで実現
浦添市(東京ヤクルトスワローズ)の松本哲治市長の呼びかけで行われた。参加したのは宜野座村(阪神タイガース)の當眞淳村長、那覇市(読売ジャイアンツ)の城間幹子市長、北谷町(中日ドラゴンズ)の渡久地政志町長、宜野湾市(横浜DeNAベイスターズ)の松川正則市長の5人。沖縄市(広島東洋カープ)の桑江朝千夫市長は都合により参加が叶わなかった。
動画は、松本浦添市長のYouTubeチャンネル内番組「松本哲治の『俺にも言わせろ!』」の初回として、3月中旬ごろに公開される。
各チームの魅力売り込み
新シーズンの優勝チーム予想では、5人ともご当地チームの名を掲げた。松本浦添市長はヤクルトが昨シーズンのリーグ覇者となったことで「当然今年もスワローズの2連覇にはなるでしょうけど」と余裕のジャブをかますと、當眞宜野座村長は、昨シーズン2位だった阪神が、勝利数では77勝とヤクルトの73勝を上回っていることを表で示し「ファンのことを考えると、引き分けではない方が良い。勝負にこだわった結果負けることもあった」と阪神の激闘をアピールした。
松川宜野湾市長は、ベイスターズが昨シーズン最下位だったことに触れ「ヤクルトが優勝する前年は最下位だった。どこが優勝するか分からない戦国時代。今度はベイスターズでしょう」と舌戦を繰り広げた。
沖縄県出身選手にも期待
「生まれた時から巨人ファン」という城間那覇市長は、原辰徳監督直筆で「不屈」と書かれた色紙を持って参加。注目選手の一人に巨人の大城卓三選手(那覇市出身)を挙げ「一軍定着なるか」と期待を寄せた。渡久地北谷町長は「中日は投手陣がすごく良いので、打撃の調子が上がれば上位に行きますよ」と分析力を発揮した。今回欠席となった桑江沖縄市長の代わりに、5首長が広島カープに言及する場面もあった。
「みんなで同じ方向を」
セ・リーグ6球団の他にもパ・リーグ3球団と、日本のプロ野球球団だけでも9球団がキャンプを張る沖縄。コロナ禍で選手らのサインや握手などは自粛が続くものの、今年は2年ぶりに観客を入れてのキャンプが実現するなど明るい話題もある。
収録後、松本浦添市長は「政治的に意見が割れるような場面以外では、仲良くみんな一緒に同じ方向を向いています」と充実の表情。那覇軍港の移設問題で松本浦添市長と対立軸にあった城間那覇市長も「普段はこんな感じよ」と朗らかな笑顔を見せていた。