「世界最悪の感染地域」沖縄の宮古島で何が起きているのか 市長は「来島をやめてほしい」

 
大型ディスカウントストアの駐車場。4割程度がレンタカーという

 市内では、ほとんどの飲食店が閉店もしくは酒類を提供せずに時短営業をしているが、一部の店舗では酒類を提供しており、そうした店に観光客が集まって“密”になっているという。緊急メッセージでも「ルールを守らない酒類を提供する飲食店舗での感染が深刻な状況」と強調されている。
 また、開店している飲食店が少ないために、地元のスーパーには時間帯問わず食料品などを買い求める人が多く詰め寄せているという。

アンビバレントな気持ちに

 市内で飲食店を経営している男性は「もう身近な人も感染するようになってきているので、さすがにやばいという空気はある」と話す。この男性は県のガイドラインに則って時短営業を続けていたが、酒類提供停止要請を受けて5月から店を休業している。

 「島の人の感覚としては、飲みに行くのは考えられない状況」。しかも、広くはない島の中で出歩けば、どこかで誰かしら知り合いに会うことになる。「人の目も気になるし、迷惑をかけてしまうというのがかなり大きいので、基本的に地元の人はあまり出歩いてはいないとは思う。とにかくあまり人と会わないようにしている」と話す。
 必ずしも「沖縄県外の人が一方的に持ち込んでるわけではないと思う」。ただ、やはり県外から観光でやってくる人たちの動きも気になる。観光・経済と住民生活を考えるとやはり「アンビバレントな気持ちにならざるを得ない」(飲食店を経営する男性)。

市内の歓楽街「西里通り」。人通りは少ないが、開いている店の店内はほとんど満席という

 沖縄県の新規陽性者数は18日に761人、19日には768人と連日過去最多を更新中だ。20日からは沖縄の旧盆が始まる。
 座喜味市長は「去年よりも厳しい旧盆を迎えることになってしまったが、1人1人の感染に対する自覚と行動が互いの命と健康を守る。引き続き協力してほしい」と呼びかけている。

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真栄城 潤一

投稿者記事一覧

1985年生まれ、那覇市出身。
元新聞記者、その前はバンドマン(ドラマー)。映画、音楽、文学、それらをひっくるめたアート、さらにそれらをひっくるめた文化を敬い畏れ、そして愛す。あらゆる分野のクリエイティブな人たちの活動や言葉を発信し、つながりを生み、沖縄の未来に貢献したい、と目論む。

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