ウグイス嬢匿名座談会(下)「龍角散は必須アイテム」

 

【前回のあらすじ】

 ウグイス嬢経験者3人に登場してもらい、選挙カーでの裏話を語ってもらった。とにかく話を止めずに候補者の名前を一日中連呼する彼女たちは、マンネリ化を防ぐため、坂道を進めば「この上り坂を登るように、一歩一歩県政の道へと登って参ります」、雨が降れば「雨にも負けずに頑張ります」と、全てのシチュエーションをやる気に変えて奮闘するという。前回の記事はこちらを参照(https://okinawanewsnet.jp/?p=646)。

参加ウグイス嬢

Y子さん(33) 那覇市長選や豊見城市議選など6回。本業はフリーバスガイド。

A子さん(35) 中城村議選や県議選などでウグイス嬢。正社員バスガイド。

S子さん(33) 沖縄市議選や県議選など8回。フリーバスガイド。

他の候補の選挙カーとすれ違う時あるある

Y子「地域によって違くない?〇〇市とかは、ディスり合いになる」

S子「え?ディスり合いなんかあるの?」

Y子「うん、無視される」

A子「普通は紳士協定みたいのがあるよね」

S子「すれ違ったらお互い止まって『頑張りましょう』みたいなね。でもこっちがしゃべってるの無視して向こうがしゃべってたりとか」

Y子「候補者本人がスポット演説打ってる時は優先になる。その辺はマナーよね」

A子「暗黙の了解で」

Y子「逆に譲り合いの精神が出た時はほっとする。いちど別の候補者を乗せた選挙カーがいるとことに出くわしたことがある。向こうは候補者本人がいるから、向こうが優先さーね。だから譲ろうとしてマイク置いたわけ。そしたら向こうも止まって譲り合いになってしまって。だから、『〇〇候補、お疲れ様です。ご本人ですよね、お先にどうぞ』って譲ったわけ。そしたら向こうも『え?△△候補、いいんですか?ありがとうございます!』って言ってくれた。あれには一瞬で心持っていかれた。キュンって。あの『ありがとうございます!』は一生忘れられないよ」

ウグイス嬢 沖縄ニュースネット
Y子さん

必須アイテムは?

S子「手袋必須だよね」

Y子「うんうん」

S子「事務所が用意するのってだいたい100円ショップのものだから、自分のバスガイド用の手袋持って行ってます」

Y子「その方が乾きもいいしね」

S子「値段が安いのはだんだん外れてくる。その他に必須なのは龍角散でしょ」

Y子「そうだね。あめ玉も」

A子「のどスプレーも必須」

Y子「あめ玉舐めすぎて口超荒れるよね」

S子「分かる!」

Y子「あと、マイクのガーゼも。他の人が使ったマイク使うのはあまり気が進まないから。でも、こまめにガーゼ変えすぎて怒られた。今回の県議選ではコロナも気になったけど、車の窓は全部開けて換気されてるから、事務所にいるよりいいかも知れないね」

A子「基本、車は窓開いてるよ。手を振るから」

S子「雨の日でもなんでも全オープン」

Y子「車内でカッパ着て手を振るよ」

どんな人が当選するの?

Y子「候補者本人が一緒に回ってる方がこっちのモチベーションも上がるよね」

A子「それに見栄えもいいよね」

S子「三日攻防ぐらいは乗ってほしいかな」

Y子「そうそう、三日攻防すら乗らん候補いる。でも、そう言う人は落ちたけど」

S子「落ちる人っていうのは、だいたいやってて分かる。頑張ってるのはどこの事務所も一緒だけど」

ウグイス嬢 沖縄ニュースネット
S子さん

Y子「本人が『もういいや』って諦めムードになってる時があるから」

S子「外のお手振りで市街地回る時に、(道やベランダに)出てくる有権者の人が少ないとかでも分かるね」

A子「その人の人柄も結構左右されると思う」

Y子「地元に密着の市町村議会選挙の場合は特に分かりやすく表れるよね。『この人が好きだから応援したい』って思われている候補者の事務所は、常に人で賑やかだよね。

注目候補者の隣で

A子「今回の県議選でスゴかったのは、人気のある候補者の応援演説をしに来た人が、結局自分の話ばっかりしてアピールしてることがあった」

Y子「そういうとこだよねー」

A子「(その人と一緒に)写真に映りたいっていう狙いだわけ。応援しに来ましたよーって」

Y子「そしてその時の写真とかが、あとあと自分たちのビラに使われるのよ」

選挙期間中は太る

Y子「選挙って太る。だいたい1回の選挙戦で2kgぐらい太るかな」

A子「動かないもんね。車から降りないしさ。手しか動かさない」

S子「手が筋肉痛になる。しょっちゅう湿布貼ってるよ」

A子「自分じゃなくて候補者がしゃべってる時は、こっそりストレッチしてる」

S子「どういうこと?」

A子「候補者は何回も同じ話するさ?だから手ぇ振ってるふりしながらこんな」

ストレッチしてみせるA子さん

他のウグイス嬢を意識する?

S子「あのウグイス嬢は上手、声がきれい、とかはあるよね。良いフレーズ言ってたら参考にしようかなみたいなのはあるから、他のウグイス嬢が何を言っているかは聞いちゃう」

A子「何か面白いこと言ってないかなーとか」

S子「独特のしゃべり方する人いる」

Y子「でも独特なものって耳に残るからプロなんだよね。あと、政党によっては特有のしゃべり方もあって、話し方をそっちに寄せるよ」

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長濱 良起

長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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