オリーブオイルで沖縄料理をもっとおいしく
- 2021/2/28
- 食・観光
オリーブオイルのボトルには、様々な情報が書かれているにもかかわらず、なぜ外観での判断が難しいのだろうか。その理由はふたつあった。
ひとつは日本にはオリーブオイルに関する法律規定がなく、表記があてにならないことだ。オリーブオイルは通常、オリーブの主な生産国が加盟する「国際オリーブ理事会(IOC)」が厳しい審査を行い、品質等級をかなり細かく分類することで商品の良し悪しが区別されている。
日本はIOCに加盟しておらず、代わりにJAS法(日本農林規格)の基準が適応されているが、IOCと比較するとかなり緩い規定となるため、結果として世界水準で見た際に「偽物」だと判断される商品が日本に出回ったり、品質が劣るものでも最高品質規格といわれる「エキストラバージン・オリーブオイル」と表記されていたりする。また原産国がIOC加盟国であっても、悪質な業者によって流通の段階で中身が入れ替わることも多いのだそうだ。
もうひとつの理由は、生産者が産地でつくった時点では素晴らしい品質であっても、オリーブオイルは「なまもの」であり、輸送や保管に問題があるとたちどころに劣化してしまう繊細な商品であることだ。どれだけ信頼のおける生産者の商品であっても、やはりパッケージを見ただけでは高品質かどうかは見極めることが難しい。
「じっくり選ぶ」を重視
ここまで聞くと、日本中には劣化したオリーブオイルばかりが出回っているのではと不安に駆られるが、そんな中でもやはりいいオリーブオイルは日本国内にも流通している。
榊田さんはオリーブオイルソムリエ資格取得当初は、趣味として活用する予定だった。だが学ぶ過程においてオリーブオイル業界の一部に見られる悪しき慣行を知り、またそれに反していいオリーブオイルのつくり手の誠実さを知ることで「選ぶこと」の重要性を感じた。当初は店舗経営ではなく知人と共同購入という形で資格を活用していたが、次第に「わたしも選んでほしい」という人が増えたことから「オリーブオイルを選ぶところからサポートする店」として店舗経営を決意した。
店の販売は「パッと買って帰る」スタイルではなく、約20種類のオリーブオイルから好みに沿ったものをフードメニューと合わせて試食してもらい、会話を通して好みの一本を選んでもらうスタイルとした。(軽食付き:600円〜)
他にも、飲食店のオーナーがお店で使うオリーブオイルを選ぶ際には、商品開発コンサルティングプラン(価格は要相談)や、商品を持ち込んで1時間好きなオリーブをかけ放題1500円というプランもある。