運転代行AIで60分⇒11分 業者効率化で売上増「AIRCLE」

 

 運転手の男性は、タブレット端末での経路案内に少々不慣れな様子ながらも「老眼だから夜暗かったら近くが見づらいんですけど、音声で案内してくれるので安心ですよ」とこの日も仕事に精を出す。

タブレット端末のナビに沿って運転する=12月26日、那覇市・国際通り

課題先進県・沖縄「ビジネスで人の役に」

 運転代行の配車サービスから派生する形で、新たなサービスの実証実験にも参画している。それが、テイクアウト容器のシェアリングサービス「Re&Go」だ。プラスチックごみを削減する狙いから、繰り返し使える容器の配達や回収を行う。運転代行業者のネットワークを利用し、余剰分の人員などをこのサービスに当てる。
 コロナの影響で利用客が減ってしまっても「人や物を輸送できる」という業界の強みに着目し、夜中の物流インフラとして活躍してもらうことも視野に入れている。

 棚原代表がビジネスに取り組む原動力は、課題先進県とされる沖縄で「社会課題はどうやって解決できるかのロールモデルとなりたい」という点だ。エアクルを始めるにあたって周囲の個人・企業の出資者が賛同してくれた。彼らの想いもまた、沖縄が抱える課題を、ビジネスを通して解決していきたいという部分に集約されていた。棚原代表は、こういった動きがさらに沖縄でも加速すれば、との思いを抱く。

 「もし自分たちも利益を上げて、出資者も儲かることができるという結果を残せたら、県内の大企業もベンチャー企業に出資しやすくなるかもしれません。課題意識が高い若者は夢を見ながら活躍できるし、大企業は着手しにくい動きを代わりにやってもらえます。ノウハウを共有しながら新しい産業も育っていきますよね。その方が圧倒的に早く課題を解決できるはずです。沖縄にも面白いことや良いことやっている会社はたくさんあるんですよ」。

 社名にもあるアルパカは家畜として、食用にもなり、体毛は良質な繊維になり、糞まで燃料になるほど、人間の役に立ってきた。「人の役に立てる企業に」。棚原代表はビジネスでの沖縄の課題解決に向けて、アンデス高地のアルパカと同じように坂道を上っている。

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長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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