運転代行AIで60分⇒11分 業者効率化で売上増「AIRCLE」

 

 エアクルに参加する以前、新崎理事は「利用者が運転代行を注文する時間帯はだいたい同じぐらいで、(エアクルに参加しなくても)電話注文だけで手いっぱいだと思ったんです」と考えていた。5台所有する随伴車は、特に週末ともなるとフル稼働だ。注文が入っても1時間やそれ以上待たせることはザラで、これ以上の注文には対応できないと思っていた。「ところがどっこいですよ」。新崎理事は続ける。「お客さんの目的地から事務所に帰る途中で、エアクルからのお客さんを乗せることができるんです。すごくメリットがありますよ」。実際に、注文件数はエアクル導入前後で約15%は増えたという。「コロナ禍でお客さんも減っていますが、その代わりエアクルでお客さんに使ってもらっています」と喜ぶ。

 かねてから業界の適正化を訴えてきた新崎理事。運転代行業に関連する法律が2002年に初めてでき始めたものの、法令を遵守しない業者もこれまで目の当たりにしてきた。「運転代行業界がこれからどんどん進化し、評価されていくだろうと思っています。本当にうれしくて。この20年間でいくら頑張っても変えきれなったものが、アルパカラボさんのおかげで変わってきています」

 那覇市を中心に運行しているというある業者は「(那覇から離れた)本島中部でもお客さんからの注文が来る」と思わぬ効果に驚いていた。通常、那覇周辺の運転代行業者は、那覇近くで飲んでいる人から電話を受け、常連客もなじみの店も那覇周辺に集中しているからだ。
 しかし、エアクルを導入して以降「那覇からコザまで乗せますよね。そしてたまたま中部にいる間に、エアクルを通して注文が入って、今度は中部地区でどんどんお客さんを乗せては降ろし、乗せては降ろしとできるわけですよ。これまでには全く考えられなかったことですよ」。この業者は4台で運行しており、月の売り上げが30万円ほど上がったという。「他の業者もどんどん加入してほしいですよ。高齢の運転手は機械が苦手で不安がる人もいますけどね」

実際に利用してみると

 実際にエアクルを利用してみた。
 手順は至って簡単だ。スマホアプリをダウンロードし、電話番号などを登録。後は地図上で乗車地点と降車地点をピンで指定して、手配自体は完了だ。すると即座に近くにいて対応可能な代行業者の社名とナンバー、目安の料金が表示される。到着まで「11分」の表示。土曜日の午後9時頃だった。
 運転代行の随伴車が今どこにいてどのぐらいで着くのかも位置情報で表示される。到着が近づくとスマホへの直接通知も来るため、到着に気付きやすい。

到着地と出発地を指定すると(左)、マッチングされ業者名やナンバーが表示される(右)
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