有効求人倍率、8カ月連続で全国最下位
- 2020/12/1
- 経済
沖縄労働局(福味恵局長)は1日、10月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月比0.02ポイント上昇の0.73倍だったと発表した。県内の有効求人倍率は12カ月ぶりに上昇したものの、8カ月連続で全国最下位となった。県内の完全失業率(原数値)は前年同月から1.2ポイント悪化して4.0%だった。
同労働局は、今回の発表から、大手企業などが県外のハローワークで提出した沖縄を就業地とする求人数も含めた「就業地別」の有効求人倍率を発表している。これまでは県内ハローワークのみで計算した「受理地別」で発表してきたが、「就業地別の方が的確に労働力需給を表せる」としている。
県庁で会見した福味局長は、県内の状況について「先行性のある新規求人倍率が低下しており、先行きは明るくないと考えられる。引き続き新型コロナの影響があり楽観的な見通しは持てない」と述べた。
その上で、「事業主が現在も厳しい状況に置かれていることは承知しているが、特例措置が延長された雇用調整助成金など各種制度を活用し、雇用の維持に努めていただきたい。社会経済活動の上昇に合わせた人材確保の観点からも、求人の提出をお願いしたい」と呼び掛けた。
有効求人倍率(原数値、受理地別)を県内のハローワーク別に見ると、那覇所は前年同月比0.57ポイント低下の0.66倍、沖縄所は同0.42ポイント低下の0.58倍、名護所は同0.65ポイント低下の0.70倍、宮古所は同0.91ポイント低下の1.03倍、八重山所は同1.05ポイント低下の0.89倍。
新規求人数(原数値)は前年同月比32.5%減の8787人で、11カ月連続の減少。主要産業別では、最も多い医療福祉が同20.8%減の3001人。そのほか、宿泊業・飲食サービス業は同49.4%減の937人、建設業は同14.5%減の691人などとなった。
同労働局は「医療福祉は、受診控えで患者が減少していることで採用活動を控えたのではないかと考えられる。宿泊業・飲食サービス業は(新型コロナウイルスによる)観光需要の減少や外出自粛が影響している」などと分析している。
雇用調整助成金、申請累計3万501件
このほか、同日は新型コロナウイルスによる雇用への影響も発表された。11月14日~27日の2週間で解雇などが見込まれる労働者は52人で、内訳は正規労働者25人、非正規労働者27人。同労働局によると、同ウイルスによる解雇数は2月からの累計で1514人(正規労働者531人、非正規労働者825人)。
雇用調整助成金の申請件数は累計3万501件で、このうち支給決定件数は3万196件。新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の支給実績は累計7175件、支給決定は6176件となっている。
(記事・写真 宮古毎日新聞)