好調の沖縄不動産投資 貸付型クラファンから社会課題解決目指す

 

 ソーシャルバンクZAIZEN株式会社(浦添市、松森敦代表)は沖縄県内では唯一となる貸付型(融資型)のクラウドファンディング・Pocket Fundingを展開している。「不動産を担保にしてお金を借り入れたい人」と「投資家」の双方をつなぎ合わせる融資仲介サービス(ソーシャルレンディング)だ。このようなサービスは多くの場合、不動産需要の高い東京や大阪などの都市圏で展開されるが、地価や不動産価格が上昇傾向にあり、他府県に比べて農村部でも不動産に高値が付く沖縄県特有の事情から、地方都市では珍しく独立採算型でサービスを展開することに成功。投資家の集まるプラットフォームを作ることで、社会課題解決に必要な寄付の窓口とすることも見据えている。

Pocket Fundingのスマホトップページ

不特定多数から募る不動産投資

 サービスの流れは①融資を受けたい不動産主、もしくは不動産の購入が決定している人が、その土地や建物、軍用地を担保にして融資を申し込む②不動産の評価額のうち原則70%を融資する③その融資金の原資を、Pocket Fundingを通して県内外の投資家から募る―というものだ。

 融資を受ける人にとっては、銀行から断られても、Pocket Fundingでは融資を受けられる可能性があるということが魅力だ。例えば法人の決算書がキャッシュフローの関係で一時的に赤字となっていても、物件そのものの担保力次第で、融資を受けられる可能性がある。同サービスの提携先である、保証会社大手の日本保証を保証人に立てることで、さらに高率の融資も可能だ。

 一方で投資家にとっては1万円からの少額投資で資産運用ができることなどが強みとなる。2017年6月のサービス開始以来、これまでに22.3億円を投資家から集めて運用しており、年率3~9%を投資家に還元している。
 同社は「地価上昇率が全国1位とされている沖縄の不動産の中でもさらに厳選した担保案件のみを提供しているため、(その運用効率の良さから)万が一借り倒れが生じたとしても元本割れの可能性を低く抑えている」と説明する。

地価上昇率全国1位の堅実さ

 県土地対策課がことし9月に発表した県内地価によると、2020年の地価は、前年比で、住宅地が4.0%増、商業地が6.2%増、工業地が11.6%増で、どれも全国一の伸び率だ。林地を除いた全用途を総合すると4.7%増となり、2014年以降7年連続で上昇を続けている。宮古島市の商業地は31.5%増となるなどいわゆる「不動産バブル」状態で、異例とも言える伸びが続いている。

次ページ:

1

2 3

関連記事

おすすめ記事

  1.  サッカーJ3のFC琉球が、第2次金鍾成(キン・ジョンソン)監督体制下の初陣を白星で飾った…
  2. 今季から琉球ゴールデンキングスに加入したアレックス・カーク(左から2人目)やヴィック・ローら=16…
  3.  FC琉球の監督が、また代わった。  サッカーJ3で20チーム中18位に沈む琉球は1…
  4. 戦前に首里城正殿前に設置されていたバスケットボールゴールを再現した首里高校の生徒ら=8月27日、那…
  5.  8月12日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール市民交流室は熱気が渦巻いていた。ステー…

特集記事

  1. 再びFC琉球の指揮を執ることになり、トレーニング中に選手たちに指示を送る金鍾成監督=19日、東風平…
  2. ヴィック・ロー(中央)の入団会見で記念撮影に応じる琉球ゴールデンキングスの(左から)安永淳一GM、…
  3. 沖縄県庁  沖縄県は、地域の緊張を和らげようと、4月から「地域外交室」を設置し、照屋義実副知…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ