好調の沖縄不動産投資 貸付型クラファンから社会課題解決目指す
- 2020/11/28
- 経済
一方で全国平均に目をやると、同年は前年比で住宅地が0.7%減、商業地が0.3%減など、減少が続く。
県内で地価が前年比で下落したのは住宅地が伊江村、久米島町、多良間村、粟国村の1町3村、商業地では今帰仁村、恩納村、久米島町の1町2村だけだった。町村部でも基本的に地価が上昇を続ける沖縄の現状と他府県を比較して、松森代表は「沖縄は人口が現在のところ増加しているなど、不動産ニーズが確実です。今後も10~20年間は人口が増加するといわれています。逆に、他県のほとんどの過疎地域では住宅の買い手が付かず、100万円や50万円どころか“マイナス200万円”という値がつくこともあります。住宅を手放したい人は、逆にお金を払わなければ売買が成立しない場合もあります」
また、沖縄に特徴的な担保として、軍用地が挙げられる。国が地主に軍用地代を払うという点で「担保力は抜群」だといい“堅実な投資案件”として注目を集める。
同社では仮に今後、新型コロナウイルスの影響などで地価の下落が続いても、担保となる不動産の再評価を随時重ねることで、融資額を不動産評価額の原則70%以内で維持するなど、過度な融資を行わないような仕組みを作っている。
県内の投資家を増やして、搾取構造の解決を
「沖縄の不動産を県外の大資本が来てかっさらっていく訳ですよね。地元の企業が地元のためにお金を回していくということが大切だと思います」と、「沖縄と本土」に見られる経済的な搾取構造を壊していく意義を語る。
とはいえ現在のところ、Pocket Fundingを利用する投資家の約90%が県外、主に東京、神奈川、埼玉、大阪の大都市圏で、県内は約10%にすぎないという。松森代表は「沖縄は大都市圏と比べると投資家の数や投資についての情報がどうしても乏しいです。投資と聞くと身構える人もいるかと思います。地元の投資家を増やしていきたいです」と少額投資ならではの強みを語る。