地価動向、弱気続く 新型コロナウイルスが影響

 

不動産市場DIレポートから抜粋

 県不動産鑑定士協会(髙平光一会長)は1日、11月1日時点の不動産市場DI(景況感指数)レポートを発表した。5月1日時点と比較して地価が「上昇」「やや上昇」したと答えた企業の割合から「下落」「やや下落」したと答えた割合を引いたDIは、県全体で住宅地がマイナス9.1、商業地が同20.3、軍用地は同34.9。来年5月の予測は、住宅地がマイナス34.2、商業地は同42.7、軍用地は同39.7で、地価に対する弱気の見方が継続している。

 同調査は、県内を沖縄本島の北部・中部・南部、那覇市の西部・東部・小禄地区、那覇市周辺部、離島部の8地域に区分し、不動産業者1477社中303社(回収率20.5%)から回答を得たもの。調査結果の詳細は、沖縄県不動産鑑定士協会ホームページで確認することができる。

 県全体の地価は、住宅地、商業地ともに昨年11月時点まで好調な観光需要を背景にDIはプラスを維持してきたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、前回調査(5月)で大幅下落し、DIが一気にマイナスに転じた。一方で、今回の結果は5月時点での予測値(住宅地マイナス71.1、商業地同72.0、軍用地同58.6)を上回った。同協会では「半年前(の予測)と比べれば、少し落ち着きを見せている」と分析している。

 地区別では、沖縄本島南部、北部と離島部でDIが住宅地、商業地ともプラスとなったものの、那覇市西部、同市東部、那覇市周辺部、本島中部では、いずれもマイナスとなった。

地区別の地価動向DI

店舗系への影響大きく

 賃貸物件に関する県内全体のDIでは、共同住宅で賃料が0.4、稼働率はマイナス5.5だったのに対し、店舗・事務所では賃料がマイナス32.2、稼働率もマイナス39.1となっている。同協会は、「コロナ禍で店舗系への影響が大きい」としている。

地区別の賃料物件DI

 また、共同住宅では賃料、稼働率とも離島部でマイナス値の大きさが目立った。同協会は、「公共事業が終わった反動と、コロナの影響が相まって激しく落ち込んだという見立てになるのではないか」としている。

(記事 宮古毎日新聞)

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