メディア初公開!建設現場内部へ 1万人収容沖縄アリーナ(上)

 

 山内室長は沖縄アリーナを活用したイベントのターゲットとして「アジアを見ています。バスケをはじめとして屋内スポーツのプロ化がアジアではどんどん進んできています。これらスポーツの国際大会や(ビジネス面での活用に)国際展示場も視野に入れています」と話す。

 沖縄コンベンションセンターとの競合になってしまうという指摘があったことにも触れ「規模が違うので用途が違います。規模や日付が合わなくてコンベンションでの開催が叶わないイベントもあるので、逆に『沖縄の可能性を広げる』という意味では双方にとって相乗効果が出ると思います」と説明する。

建設中の超大型映像装置
観客席は地上5階分までのすり鉢構造

キングス運営・安永氏「県民にとって生きた建物に」

 この事業に携わる琉球ゴールデンキングスを運営する沖縄バスケットボール株式会社の安永淳一取締役は「これまでキングスの試合は3500席が目一杯で、チケットがすぐに売れ切れて入れないお客さんもいました。それが(バスケの試合の会場形態では)8000席になるとのことで、とてもいい環境だと思います」と歓迎する。

 安永氏はアメリカのプロバスケNBAのニュージャージー・ネッツ(現ブルックリン・ネッツ)のフロントとして長年活躍した経験があり、アリーナのあるべき姿を肌で感じてきた。

 「1万人規模なら、今まで沖縄になかった『大規模なもの』が身近になります。市民県民の暮らし、文化、スポーツ、芸能にとって大きなプラスになります。多くのコンテンツに県民が触れることのできる『生きた建物』になるはずです」と、県民文化の発展に大きな期待を寄せている。

 さらに、「オリンピックや国体のために造る施設ではなく、アリーナの発展に合わせていろんな楽しみがあれば。心躍る場所になってほしい」と未来を描く。

名称「沖縄アリーナ」に込めた思い

 沖縄市の事業ながら、名称は「沖縄市アリーナ」とせずに「沖縄アリーナ」とした。

 山内室長は「沖縄市だけのアリーナとは思っていません。県外や世界をターゲットに沖縄を発信していきたいです」と話す。

 そして「沖縄の子どもたちにたくさんの経験をしてもらいたい」という願いも。「子どもの期間というのはあっという間ですから。小学1年生でもたった6年で中学生になります。地理的不利益を行政としてカバーしていきたいです」と話し、アリーナを起爆剤とした“新体験”の提供を少しでも早く届けるべく奔走している。

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長濱 良起

投稿者記事一覧

フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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