メディア初公開!建設現場内部へ 1万人収容沖縄アリーナ(上)

 

 興行主にとって使いやすい施設かどうかも意識した。搬入口を2カ所に設置してトラックの出入りをスムーズにすることで、会場設営のスピードアップを図る。コンクリート床なので、上部を自由に入れ替えれば会場そのものを様変わりさせることも簡単だ。例えば昼は人工芝、夜はバスケットコートにすることもできる。アイススケートのリンクを設置して沖縄にフィギュアスケート大会を誘致することも可能だ。

 「もともとこの場所は闘牛場でしたからね。(沖縄アリーナで)闘牛もできますよ」

完成後の外観イメージ(沖縄市提供)
沖縄自動車道側に突き出る形でラウンジも各階に。小規模なイベントも可能だ。

発端は現市長の「桑江ビジョン」

 沖縄アリーナの計画は、現職の桑江朝千夫沖縄市長が2014年4月に初当選した際の公約「桑江ビジョン」に盛り込まれたことが発端だ。アリーナ建設と並んで沖縄こどもの国の拡充整備、モータースポーツができる多目的広場の整備、市池武当地区への自動車道IC設置の4つの施策を実現するために、同年8月、プロジェクト推進室を創設。市の看板事業として本腰を入れて着手してきた。

 市によると、県内の行政では初めて、設計段階から施工者が設計に対する技術協力を行う「ECI方式」を採用した。構想から6年での供用開始は異例の早さとも言える。総予算約163億円の9割近くは防衛省と内閣府の補助を受けた。

 沖縄市ではかつて、市が中心となった第三セクターが1997年に作った複合商業施設「コリンザ」の経営が立ち行かなくなり、10年間で約24億円の累積赤字を抱えたという苦い過去がある。「箱物行政」を不安視する市民もおそらく少なくない。

 施設運営に関する市の報告書によると、1)プロバスケットボールチームによる底堅い需要2)天候に左右されがちだった大型興業需要の取り込み3)全国アリーナツアーの最終開催地としての開催ニーズ―の3点を軸に、積極的に利用を進めて土日の予定がほぼ埋まった状態だと「年間1億円以上の黒字が期待できる」という。

 山内室長は「年間の稼働率が4割弱あると採算が合います。キングスの試合に加えて月に1つか2つイベントが入れば問題ありません。当初計画では『6年目から黒字化』としていますが、実際は2~3年で黒字化できると考えています」と説明する。

なぜ“1万人”なのか

 沖縄アリーナは、「なぜ沖縄に1万人規模の施設が必要なのか」という意見はこれまでも多く出てきた。1万人でなければならない理由があるという。

 その一つは、有名アーティストのアリーナツアーを誘致できる、ということだ。アリーナツアーで使われる会場は、さいたまスーパーアリーナ(2万2500人)、横浜アリーナ(1万7000人)、代々木第一体育館(1万3000人)、北海道立総合体育センター北海きたえーる(1万人)、広島グリーンアリーナ(1万人)などの規模の会場が利用される。通常、ステージや機材は他の全て会場の規模に合わせたものを利用するため、最初から1万人規模を想定したアリーナツアーだと沖縄会場だけ5000人規模にするわけにはいかなくなるとの事情がある。

 スポーツの国際大会を開催するに足りる規模も関係してくるという。バスケットボールの場合、予選の段階でも8000人以上の収容人数が求められる。当日の会場設計で座席の数を減らす可能性を考えると「最大で1万人」を収容できた方が各大会に対応できる。「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」の予選が沖縄アリーナで開催されることが決まった。

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