【那覇市長選】経済・観光の立て直しに子育て…両候補者の政策は?
- 2022/10/21
- 政治
子育て・福祉への取り組みは?
「子育て日本一」を掲げる翁長氏は学校給食費や幼児教育、高校卒業までの医療費無料化を進めることのほか、目玉として打ち出しているのは「子ども相談所(児童相談所)」の設置だ。子どもに関する様々な相談んを誰もが気軽に利用しやすい場所に設置することで、子どもや子育てに必要な支援に確実につなげると訴える。関連して、子育て世代包括支援センター「ら・ら・ら・ステーション」の拡充にも触れている。
また、貧困対策では子どもだけでなく保護者の支援も含めた総合的な対策が必要だとして、現在那覇市が行っている生活困窮者の自立支援制度などの拡充、居住支援協議会の設立による低所得者、そして高齢者や障がい者も含めた子育て世帯の住まいサポートにも言及する。
知念氏の子育て政策は、妊娠・出産、保育、就学・進学など各段階でのきめ細やかな支援に取り組むための土台として「こどもの権利条例」制定を打ち出す。さらにスポーツ系・文化系・学習系の全ての習い事や、産後ケア・女性キャリアアップなどに活用できるクーポン発行を子育て支援として推進する構えだ。また、保育士の処遇改善で人員確保や質向上のための施策展開にも触れている。
福祉に関しては中長期的なビジョンとして支え合いの仕組みとしての「地域包括ケアシステムの構築」を掲げており、地域内の医療機関・福祉施設など各種資源を連携させ、高齢者が安心して住める環境の整備にも力を入れるとしている。
那覇軍港、辺野古への見解は?
那覇軍港の移設については、両者ともに容認の立場だ。翁長氏は玉城デニー県政・城間幹子市政と同様の方針で、那覇港の港湾整備計画の中での再配置と位置づける。その上で民港機能を最大限発揮させて経済活性化につなげることを見据えている。
知念氏は那覇軍港を経済面から見て県土発展のポテンシャルが高い「都市基盤の要」として、速やかな返還を実現した上で国や県と連携した跡地利用計画の策定を目指す。「苦渋の決断」として移設を受け入れた浦添市との連携強化も繰り返しアピールしている。
一方、辺野古基地建設を巡っては、翁長氏は辺野古移設とMV22オスプレイの普天間飛行場配備への「断固反対」を明確に示した上で「過重な基地負担は速やかに解消されなければならない」と訴えている。
知念氏は辺野古について「渡具知(武豊)名護市長は国と県との裁判を見守るとしているので、私もその姿勢を尊重したい」というスタンスで、賛否の明言はしていない。
投票日が間近に迫っている。今回の那覇市長選は対立構図が入り組んでいることもあり、投票先を見極めるのに難渋している有権者もいるかもしれない。両候補の政策が那覇市での生活にとってどんなインパクトがあるのか、市民としての目線で見極めて一票を投じよう。