経済、辺野古、教育…沖縄県知事選候補予定者の主張は? JC公開討論会
- 2022/8/14
- 政治
子どもの貧困、教育対策の推進について
―沖縄は貧困率が全国的にも高いとされ、高等教育を受けるチャンスが失われるなど、貧困が世代を超えて連鎖しています。子どもの貧困、教育対策の推進について皆様の考えを聞かせてください。
下地氏「教育の完全無償化を行うということです。保育園から専門学校・大学まで。私の試算では、教育費に300億円のお金がかかると考えています。そして給食費は80億円、朝食の提供に45億円、子どもの医療費無償化に100億円。これらを総額して550億円の予算がかかります。現在子どもの3人に1人が貧困、困窮世帯が30%超える。そして児童虐待の比率も高くなる。こうしたことを考えると、教育の完全無償化を行うことが政治の大きな役割だと考えています。財源は来年の4月から始めるとして、自主財源から200億円、あとは県債を350億円発行して550億を確保したい。再来年度からの教育費無償化については、来年6月の県議会に教育税を提案して、県民1人1,000円、そして累進的に2,000円、3,000円と設計して、さらに自主財源と行革などの見直しも行いながら財源確保したいと思っています」
佐喜眞氏「沖縄の出生率は1.79と全国一高くなっており、将来性の高い魅力ある県だと言えます。その一方で貧困率が全国で最も高く、認可外保育施設が多いなど、他府県にはない課題を抱えているのも実情です。子どもを育てやすい環境をどう作っていくか、これは私の最も関心のあるテーマの1つです。今回の知事選に立候補するにあたって、子育ての全国的なモデル地域として沖縄県を子ども特区に指定してもらい、政府から必要な支援を最大限引き出したい。日本一子どもを育てやすい県にしていくということを目玉政策にしています。その他にも、貧困を連鎖させないために、幼少期から成人にいたるまでの保育・教育支援、キャリア・就労支援に取り組むほか、保育士養成の支援と処遇改善で待機児童セロを実現します。さらに不登校支援センターの設立や、いじめ防止プログラムの導入など様々な政策を推進することで、沖縄の子育てや教育の環境を劇的に向上させいくつもりです」
玉城氏「子どもの貧困率は全国平均のほぼ2倍で、3人に1人が貧困状態です。子どもの貧困対策を県政の最重要政策と位置づけ、全力で取り組んでまいりました。また、子どもの人権尊重条例も制定しました。仲井真県政時代に3歳までだった子どもの医療費無料化は、翁長県政時代に小学校入学前まで拡充しました。そして、令和4年からは小学校卒業まで拡大しています。学用品や給食費などを支援する就学援助は8,000人以上増加し、生活困窮世帯の高校生のバス・モノレール無料化も実現しています。また、多くの若い人たちが大学卒業後に多額の奨学金返済に苦しんでいます。こうした若者が就職し、就職先の企業が返済の支援する際には県がその負担を補助する事業も本年度からスタートさせています。こうした対策を進めるための資金を、当初の30億円から60億円に積み増しをしました。引き続き貧困対策に全力を尽くすとともに、これからは社会人としてスタートする18歳から20代なかばまでの若い方々への支援にも力を入れていきたいと考えています」
■関連記事
☆沖縄県知事選まで1カ月 コロナ禍の県政運営の評価、「保守分裂」の影響は… ∥ HUB沖縄
☆佐喜眞淳氏が沖縄県知事選に出馬表明 「経済危機突破」掲げる ∥ HUB沖縄
☆「保守、革新ではない新しい政治を」下地幹郎氏が政策発表 ∥ HUB沖縄