沖縄言葉を“聴く”アプリ初登場 日常会話でクスッと楽しく
- 2020/8/27
- 社会
「みんなで育てる世界一の方言アプリ」
県内各地域それぞれの言葉「しまくとぅば」。沖縄県はしまくとぅばの普及継承を目指し、2013年に10年計画で「しまくとぅば普及推進計画」を策定、行政としても本格的に言語復興に乗り出した。同計画では前期(13~15年度)でしまくとぅばに親しみを持たせて県民の機運を育て、中期(16~18年度)で県民運動などで普及促進を進め、後期(19~22年度)で県民に定着、積極的に活用されていることを想定している。計画最終年度である2022年度にはしまくとぅばを「主に使う」「共通語と同じぐらい使う」「挨拶程度使う」人々が9割近く占めることを目標に掲げるが、2020年時点、実現は厳しい状況にある。
かつて所属したバンド「All Japan Goith」時代にベーシストとして全国各地を駆け巡った金城さんは、沖縄の事を尋ねられても「地元の言葉や歌が分からない」という自身に疑問を持ち、沖縄の文化を学ぶ大切さを意識してきたという。楽曲にも沖縄の音階や音色を取り入れ始めた。
「勉強して学ぶというよりは、まずは親しみやすくゲーム感覚で沖縄について学んでもらう入口になれば」と思いを語る。
「単語数もどんどんグレードアップさせて、世界一の方言アプリを目指したいです。使っている皆で育てていければ。予算があれば多言語化して、ハワイや南米など世界のうちなーんちゅにも届けたいです」
歴史や地理のコンテンツも視野に
金城さんの“野望”は尽きない。
沖縄の言葉だけではなく、ゆくゆくは地理や歴史、雑学まで学べるゲーム開発を視野に入れている。
「子どものころ、桃太郎電鉄(日本中を舞台にしたボードゲーム)で都道府県がどこにあるとか、その土地の名物を学んだ人も多いはずです。僕はゲームで『愛媛は四国にあって、みかんが有名なんだ』『山梨はブドウの産地なんだ』と学びました。その沖縄版があれば、もっと沖縄に詳しくなると考えています」
琉球・沖縄史については、小学生の一時期を除いて、学校で学ぶことはなかった。
「琉球の歴史上の人物がキャラクターになったカードゲームがあっても良いと思います。例えば沖縄にたくさんある城跡だけ考えてみても、その数に応じた歴史があるはずです」
グローバリゼーションや情報化社会の急激な進行の中で、失われたもの、もしくは失われつつあるものを取り戻そうと挑戦する。ゲームやエンタメを文化継承へと昇華させようと突き進む金城さんに、いっぺーにふぇーでーびる。