感染陽性者激増は検査数増加も一因か? PCR検査場は連日行列

 
PCR検査場に出来た行列は1ブロック分にも及ぶ時も

 新型コロナウイルスの変異株・オミクロン株が沖縄で猛威を奮っている。年明け早々、1週間も経たずに1日の感染者数が4桁に上って過去最高を叩き出し、連日1000人超えが続いた。那覇市内のPCR検査場では長い行列が出来る程だ。受検者の中には「単純に検査を受けている人が増えているから感染者の数も急増したように見えるのでは」と話す人もいた。

1週間先まで予約いっぱい

 年末にはガラガラで一時閉鎖している所もあった検査場には、感染者増加に伴って連日大行列が出来ている。1週間先の予約の受付が早々に埋まる場所や、整理券を配布している場所もある。

 民間が運営する検査場は基本的に無症状者が任意で利用するが、昨年末から無症状の県民でも県が指定する検査場で無料で検査を受けられるようになったため、受検者が増加したとみられる。県の発表資料によると感染者の割合は20~30代が多いため、主に若い世代の受検者が多くなっている可能性も高い。

 濃厚接触者向けには県がドライブスルー形式のPCR検査センターを設置しているが、こちらも感染拡大に伴って予約件数が急増しており、「予約上限に達してしまうため、当面の間5日後までの予約受付致します」との案内が出ている状況だ(1月14日現在)。

 ちなみに、低価格で抗原検査を実施したりキット販売しているいくつかの検査センターには特に行列はできておらず、利用している人はちらほらいる程度だった。

検査実施件数も“激増”

 那覇市内にある検査センターの入口には「完全予約制 当日受付不可」という案内があり、連日長蛇の列が出来ている。

 列に並んでいた30代の男性に話しかけると「並ぶ時間がちょっともったいないけど、家族に風邪っぽい人がいたので、一応念のため受けにきました」という。

 この男性は「感染が広がっているのは事実だとは思います」とした上で「今回の1000人を超える数字は検査してる人の分母がかなり増えているということもあるんじゃないですか」と語る。

 検査実施件数を見ると、実際今年1月に入ってからの実施件数は昨年夏頃にデルタ株が急拡大した時期よりも圧倒的に多くなっている。昨年夏のピーク時のPCRと抗原検査の件数が3000件に届かない程度だったのに対し、今年1月には4000件を突破している

「米軍のことや1000人超えのインパクトが大きくて全国的にも注目されて、9日からまた“まん防”(まん延防止等重点措置)になってますが、去年と同じ内容のままでの対応にはちょっとモヤモヤを感じてます。
 検査している人の数が増えたこととか、重症化の状況も踏まえて、前回とはもう少し違ったやり方があるんじゃないかと思うんです」(前出の男性)

「こんなに激変するとは…」

 同じ検査場の列に並んでいた那覇市在住の20代の男性は「どうしても仕事で県外に行かなければならないので、渡航前に受けようと思って」と話す。1時間近く並んで検査を受けたという。年末年始は一昨年よりも外に出て飲み食いしたこともあり、現在の感染拡大の状況を受けて陰性証明は必須だと判断した。

「去年の12月までは検査場にほとんど人がいなかったのに、新年すぐにこんなことになるとは…。第6波は絶対来るとは思ってましたが、状況がこんなに激変するとは思いませんでした。もう誰がかかってもおかしくないんじゃないですか。もちろん、かかりたくないですけど」

 新年の高揚感を味わう間も無く完全に第6波突入となり、再び“まん防”の制限下に置かれた沖縄。オミクロン株は感染力についてはこれまでよりも強力と言われているものの、重症化の割合がそこまで高くはないというデータも出始めている。

 今後はこうした現状を踏まえて、隔離措置の期間や飲食店舗の営業、イベント開催などのさまざまな制限の基準や指標を現場の実情を汲み取った上で早急に見直して対策を練らなければ、いつまでたっても感染対策と経済活動の両輪を回す“ウィズコロナ”の社会は実現しない。

 現在のように感染者数“だけ”がセンセーショナルに前面に出てしまうと、市民生活の実感と行政が実施する対策との間にあるギャップがどんどん広がっていくような気がしてならない。2022年は本当の意味での“ウィズコロナ元年”となるのか。

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真栄城 潤一

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1985年生まれ、那覇市出身。
元新聞記者、その前はバンドマン(ドラマー)。映画、音楽、文学、それらをひっくるめたアート、さらにそれらをひっくるめた文化を敬い畏れ、そして愛す。あらゆる分野のクリエイティブな人たちの活動や言葉を発信し、つながりを生み、沖縄の未来に貢献したい、と目論む。

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