週末の飲食店はすでに「コロナ前の人出」 営業制限解除から1ヶ月

 

リベンジ消費?「客単価が上がった」

 長期に渡る時短、休業、自粛の期間を経た現在ならではの“新しい傾向”が出てきている。

県内全域各支部から軒並み『客単価が上がった』という声が聞こえてきます。新規客がそれなりに良い価格帯の料理やお酒を頼むことはもちろん、常連客がそれまでに頼まなかったような高めのコースを頼むケースもあるようで、良い意味で驚いている店主もけっこういるようですね。1年ぶりに外で飲むという人たちもザラにいるので、単価が上がる心情も理解できます。これまでの我慢の期間が明けたということで、言うなれば“リベンジ消費”というところでしょうか」

 また、名護については国頭村で秋季キャンプをしているプロ野球チーム・北海道日本ハムファイターズの“ビッグボス”新庄剛志監督来訪の影響が非常に大きかったという。「主に県外のメディアの人が多かったみたいですが、一時かなり賑わったみたいです。注目選手の沖縄入りで盛り上がることはこれまでもありましたが、監督でこれだけの反響があるのはなかなか珍しいパターンです」

人出不足、外出控え、第6波懸念も燻る

 他方で、懸念もいくつかある。

 先ずは飲食店従業員の人出不足だ。急に全面解除になったことで、休業や時短営業に伴ってアルバイトの雇い止めに踏み切った店舗では人員確保が急務だが、募集をかけても人が集まらないのが現状だという。とりわけ外国人留学生を採用して大人数を抱え、チェーン展開している店舗は「最初は留学生から切っていかざるを得なかった」ため、現在でも半数以上の店を閉めている状況にあると鈴木理事長は指摘する。
 さらに「休み過ぎてモチベーションが追いつかない」という人員もある程度いて、いざ開店というタイミングで退職するケースもままあるという。

 また、感染者数が落ち着いて会食の時間・人数制限もある程度解除されたとはいえ、第6波襲来の可能性がゼロになったわけではない。ヨーロッパを中心に感染拡大が懸念されているオミクロン株の動向も気になるところだ。
 こうした懸念もあって、大手の会社などではまだ忘年会や新年会を控える傾向にあるという。「会社単位でなく4~5人程度の個人での忘年会などは分散して予約がありますが、やはり例年と比べるとまだまだ少ないと言わざるを得ません」。加えて、主に60代以上の層の戻りが目立って悪い状況も事実としてある。「この年代は集まる時に模合などで大人数になりがちというのもありますが、自粛期間中に家でゆっくり飲むことに慣れてしまい、外に出ることが億劫になってしまった人も一定数いるでしょうね」

 気の置けない相手と顔を合わせて酒を飲む楽しみが日常に戻りつつある現状は喜ばしい。しかし一方で、コロナ感染のリスクがゼロになることは、おそらく今後暫くは無い。可能な限りの感染対策に引き続き取り組む必要があることは明白だ。再び休業・時短営業の要請が出ることのないよう、感染対策と経済活動とを並走させるための体制づくりを急がねばならない。

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真栄城 潤一

投稿者記事一覧

1985年生まれ、那覇市出身。
元新聞記者、その前はバンドマン(ドラマー)。映画、音楽、文学、それらをひっくるめたアート、さらにそれらをひっくるめた文化を敬い畏れ、そして愛す。あらゆる分野のクリエイティブな人たちの活動や言葉を発信し、つながりを生み、沖縄の未来に貢献したい、と目論む。

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