軽石で物資入らず離島では「パンの争奪戦」 今はどこに漂着中?
- 2021/11/10
- 社会
漁師「今のうちマグロ食べときなさい」
漁港のうち「大量に漂着有り」で漁業に支障が出ているとした11漁港は辺士名、安田(いずれも国頭村)、港川(八重瀬町)、海野(南城市)、屋我地(名護市)、瀬良垣(恩納村)、新里(本部町)、運天(今帰仁村)、伊平屋、田名(いずれも伊平屋村)、久高(南城市)。そのうち、オイルフェンスを設置して対策をしているのは辺士名、安田、新里の3漁港。今のところ「漂着無し」としているいくつか漁港でもフェンスの設置をし、被害を未然に防ぐ努力をしている。
「少量漂着有り」とされる漁港がある地域にも、不安が広がっている。
7日に観光で久米島を訪れた女性は「漁師さんが『(これ以上状況が悪化したら)マグロが獲れなくなるかもしれないから、今のうち刺身食べときなさい』と冗談交じりに言っていました。軽石のせいで動かなくなった船もある、というような話題にもなっていました」と話す。
本島北部 出漁自粛6割超
県は11月2日時点での出漁自粛調査をまとめている。3回目となるこの調査では、県内36漁協への聞き取りによって行われたもので、軽石が原因となったエンジントラブルの被害隻数は100隻で、そのうち航行不能となったものは16隻となった。100隻のうち、地域別では本島北部が56隻と最多を占め、残りすべてに当たる44隻は本島中南部の船だった。
エンジントラブルなど直接的な故障などがなくても、出漁の自粛を行う船も相次いでいる。本島北部の漁船718隻中443隻(61.7%)、本島中南部の漁船1620隻中763隻(47.1%)が出漁を自粛している。