海底遺跡、ピラミッド、石版… 北谷に潜むミステリー
- 2021/11/10
- 社会
戦前まで農村地だった北谷は、戦後米軍基地に接収され、現在は土地返還を経て沖縄を代表する観光の街へと大変貌を遂げた。だが一方ではとてもミステリアスな一面もある。
今回は未だ解明されていない、ロマンを感じさせる「北谷ミステリー」を紹介しよう。
北谷沖に沈む謎の巨大遺跡
沖縄でよくダイビングをする人であれば耳にしたことがあるかもしれないが、北谷の砂辺沖には「海底遺跡」が沈んでいると言われる。同じ沖縄でも与那国の海底遺跡はあまりにも有名だが、北谷沖にも幻の海底遺跡ではないかと噂される、謎の巨大遺構が発見されているのだ。
眉唾ものかと思いきや、実際に琉球大学の名誉教授木村政昭氏によって本格的な研究がなされ、遺構に関する論文や著書も発表されている。木村教授の研究によると、その遺構の構造が琉球王朝期に栄華を誇った大型の「グスク」の特徴とも共通点があり、遥か昔海に沈んでしまったグスクなのではないかと考えられるほか、遺構の一部には石を高く積み上げた「ピラミッド」のようにも見える、幅40m、高さ10mほどの巨大構造物や大蛇の形にも似たモニュメントも発見されているという。
ダイビング会社によっては、北谷海底遺跡を見に行くツアーも開催されているので、興味がある方は参加してみてはいかがだろう。
エジプトと北谷を繋げる石?
ピラミッドと言えば「エジプト」を思い浮かべる。そこで、北谷沖に沈むピラミッドのような石造遺構から、遥か昔沖縄にもエジプト文明が伝わってきたのではないかという説は考えられないだろうか?
さすがに話が飛びすぎじゃないかと思ってしまうのも当然だが、実はそのミステリーを紐解くヒントのような、エジプトと北谷の関係性をうかがわせるような不思議な遺物が北谷町近辺でいくつも発見されている。
それが俗称「沖縄のロゼッタストーン」と呼ばれる、謎多き「線刻石版」だ。石の平たい表面に、細い線や太い線で様々な絵や文字のような記号が描かれている。戦後、戦利品として海外へ持ち去られた物も含め現在は大半が行方不明となり、今のところ県内で11個の線刻石版が見つかっているらしいが、戦前までは100個程度は確認できていたという。