海底遺跡、ピラミッド、石版… 北谷に潜むミステリー

 
「線刻石板」のレプリカがあるちゃたんニライセンター

 全ての石版がきちんと確認できて、本格的な研究が進められれば、もしかするとすごい発見があるかもしれない。現存する石版のいくつかは沖縄県立博物館・美術館に収蔵されているが、北谷町のニライセンターではレプリカの石版を見ることができる。北谷で見つかったとされるこの石版には、ピラミッドを模したような三角形の物体、石積みのグスクを思わせるようなシンメトリーの構造物、そして文字と思われる記号の数々が刻まれている。さらに、他の石板には船や屋敷、宝珠に見える図柄なども見て取れる。

 実際に石板を目の当たりにすると、エジプトから琉球へ文明が伝わってきたのかもしれないという可能性は簡単に否定できなくなると思う。沖縄の守り神「シーサー」はスフィンクスが原点だと言う説もある上、北谷沖海底遺構で発見された大蛇のモニュメントに関しても、蛇が神の使いとされるエジプト文明との共通点が見出せる。
 エジプト文明期の海洋民族の技術をもってすれば、彼らが沖縄まで航海してくることは決して不可能なことではないとも考えられる。

ニライカナイはエジプトだったのか

 仮にエジプトから高度文明が船に乗って琉球までやってきたとすれば、琉球のニライカナイ信仰にも通ずる部分はある。海の向こうからやってきた、明らかに自分たちとは異質な風貌と造船技術を持ち、違う言葉を使う人たちと出会った瞬間の琉球の地元民の驚きは、とてつもなく大きいものだっただろう。

 異邦人たちが生活に関する様々な技術を伝えたことで島の生活が安定して豊かになれば、地元民が「神が降り立った!」と感じることは可能性としてあり得る。ニライカナイをはじめとする伝説や伝承は、もしかするとこのように人類の歴史上で起こった衝撃の記憶一つ一つが時代を経て誇張されていく中で、後世に神話のように伝わってきているものなのかもしれない。

 今後の北谷沖海底遺構の調査もロマンに満ち溢れ、これまでとは違う全く新しい琉球の歴史事実、そして世界の歴史に関わる発見の可能性も秘めており非常に楽しみである。

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