劇団TEAM SPOT JUMBLEが結成15周年 記念公演を期間限定で配信

 
(写真はTEAM SPOT JUMBLE提供)

 沖縄県内で“しんちゃん”の愛称で親しまれる俳優・タレントの津波信一さんが主催する劇団「TEAM SPOT JUMBLE(TSJ)」が結成15周年を迎え、記念企画として9、10月に上演した2作品を期間限定で配信する。第1弾は個性的な女性たち3人が恋愛観を語る「徳森さんと大森さんと波森さん」を11月8~14日、第2弾は男2人芝居でミステリアスな空間へと誘う「6 -six-」を11月15~21日でそれぞれ配信する。

 両作品の脚本と演出を務める末吉功治さんは「動画配信なんて2年前では考えられませんでしたが、今や当たり前のコンテンツ。この機会に、ぜひともたくさんの方々にご覧いただきたいと思っています。そして第3弾は、劇場で観たいと思ってくれたら嬉しいです」とコメントしている。

過去作を「令和版」に改稿

 TSJはダンス・アクション・コメディを盛り込んだ「演劇・エンターテインメントの創作と発展」を目指して2006年に旗揚げした。劇団名には「様々な光・注目(スポットライト)が、ごたまぜ(ジャンブル)になり、輝きを増す」という意味が込められている。その趣旨の通り、ミュージシャンやダンサー、モデルなど様々なジャンルのメンバーが所属しており、沖縄県内外での演劇公演をはじめ、CMやドラマ、映画などへ出演して活躍している。

 今回の配信作品は、数年前に初演だった作品を結成記念公演のために令和版として改稿した。感染への不安や対策に気を遣うコロナ禍という日常の中で、観劇した人たちが日頃の心労を少しでも忘れることができる瞬間が味わえる芝居を上演したいという思いで、キャスト・スタッフが力を合わせて創り上げたという。「クスっと笑えて、グッとくる、そんな作品になっているはずです」(末吉さん)

恋愛、人生、人間が生きていくことの物語

「徳森さんと大森さんと波森さん」の一場面

 第1弾の演目「徳森さんと大森さんと波森さん」はTSJの俳優・ナツコさんと宝眞榮日也美さんに、県内のCMやラジオ、情報番組などにも出演しているタレントの真栄城美鈴さんが客演した、女性3人での芝居。3人は架空の人気女性ファッション誌「monmo」での恋愛相談コーナーの「女子力上げ合い組合座談会」に集まった合コンのスペシャリスト、ダメンズに惹かれる女、モテない女という設定で、それぞれの恋愛観を語り体現していく。

 コミカルな演技を基調に、取り止めもない話に沸点急上昇で盛り上がる“女子同士”の会話の軽快な掛け合いがステージをハイテンションにブチ上げて、それぞれのキャラクター別の恋愛あるあるを披露したり、合コンの“必勝法”を伝授したりと、高揚感を保ちつつ駆け抜ける。戯画化されたオタク女子の「変身」をきっかけに、終盤それぞれの現実にシリアスに向き合うシーンからは、「あなたはどうしてる?」という問いを投げかけられているようだ。

 第2弾の「6 -six-」は劇団の中核メンバーである比嘉恭平さん、与那嶺圭一さんがそれぞれダブルキャストで演じる2人芝居。平凡な生活を送る普通のサラリーマン・小禄六郎太が出勤途中の電車、ビルのエレベーターと、複数の場所で凶暴なチンピラと鉢合わせる。「6」という数字をキーワードに、ミステリアスで不思議な空間を演出する。

 開幕から約10分はセリフ無しのパントマイムで、効果音はあるもののさながら無声映画を観ている心地だ。滑稽かつおかしみのある動きで展開していくが、発話しないことによる緊張感が舞台を引き締める。チンピラの「今流行りのノンバーバルかと思った」という少々メタ的なセリフで沈黙が破られてからは、ちょっと下らない下ネタと笑いもおり混ぜながら、話は徐々に自分の存在、人生、そして生と死を巡るものになっていく。

 配信チケットは「e+(イープラス)」で購入可能。料金はそれぞれ1800円となっている。

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真栄城 潤一

投稿者記事一覧

1985年生まれ、那覇市出身。
元新聞記者、その前はバンドマン(ドラマー)。映画、音楽、文学、それらをひっくるめたアート、さらにそれらをひっくるめた文化を敬い畏れ、そして愛す。あらゆる分野のクリエイティブな人たちの活動や言葉を発信し、つながりを生み、沖縄の未来に貢献したい、と目論む。

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