玉城宏逢、崎濱秀寿、新郷礼音 BリーグU16沖縄開催で輝いたホープたち
- 2023/2/25
- エンタメ・スポーツ
バスケットボールのBリーグU16チャレンジカップ2023が2月18、19の両日、沖縄アリーナで行われ、リーグ推薦で出場した美来工科高校が決勝でライジングゼファー福岡U16に75ー71で勝利し、予選リーグから無敗で頂点に立った。準決勝で美来工科に62ー77で敗れた琉球ゴールデンキングスU16は3位だった。
チャレンジカップはもともと、Bリーグユースの強豪が海外チームと交流することを目的にこれまで5度開催されてきたが、近年はコロナ禍で招聘が難しかった。前回までは「U15」で実施してきたが、今後海外チームの招聘を再開することを見越し、今回から国際大会の区分となる「U16」に年齢を一つ引き上げた。今回は開催地である沖縄の2チームを含めた計6チームが頂点を争った。
沖縄出身のプレーヤーを中心に、大会で輝きを放ったホープ3選手を紹介する。
際立ったリーダーシップ 美来工科高1年の玉城
まずは優勝した美来工科で主将を務めた1年生ガードの玉城宏逢だ。身長174cm、名護中学校出身。大柄ではないが、筋肉質で体幹がしっかりしている。美来工科の最大の持ち味である前線からの強烈なプレッシャーと、速攻を牽引する脚力を備える。チームのスタイルに完全にフィットしている印象で、自身も「ディフェンスから流れをつくって速攻という宇地原先生の考えに惹かれて美来工科を選びました」と振り返る。
オフェンスでも高いハンドリング能力を武器にゲームをコントロールし、得意のドライブやジャンプシュートによる得点、アシストで安定した活躍を見せた。準決勝は19得点、10アシスト、決勝は14得点、7アシストを記録した。
試合中、絶えず声を出し、攻守にわたって際立ったリーダーシップも発揮した玉城。いずれも美来工科が優勝した昨年11月の県新人大会、今年1月の小橋川杯はケガでほとんど出場機会がなかったため、やっと高校で陽の目を浴びた。
まだ1年生だが、本チームでも主力として活躍できるだけの力は十分にある。3月に鹿児島県で開かれる九州大会に向け「目標はベスト4です。上級生と合流したら2番ポジション(シューティングガード)が多く、ディフェンスして速攻の先頭を走る役割が増えます。どんどん声も出してチームを引っ張りたいです」と力強く語った。
福岡第一高へ進学する崎濱「兄と日本一に」
2人目は福岡U16のガード崎濱秀寿だ。北中城小学校を卒業後、全国的に強豪で知られる福岡県の西福岡中学校に進学し、現在同校の3年生。170cm。持ち味は玉城と同じく激しいディフェンスと鋭いドライブだ。大会を通して主力として活躍し、準優勝となったチームを支えた。
崎濱が一躍全国で知名度を上げるきっかけとなったのは、今年1月に東京で開かれた第3回全国U15選手権(ジュニアウインターカップ)だった。Bリーグユースや街クラブ、中学の部活動が一堂に介して日本一を競う大会にライジングゼファーフクオカU15で出場し、優勝を達成。接戦となった決勝最終盤の勝負所で値千金のスティールとレイアップを決めるなど活躍し、大会ベスト5に選ばれた。
ただ、本人は大会を通してのプレーにはまだまだ満足してないようで「ジュニアウインターカップは活躍したというより、どちらかと言えばチームに迷惑を掛けた方が多かったです。本当の意味でチームを助けられる存在になりたいです」と貪欲に成長を求める。
兄は高校バスケ界で全国屈指の強豪である福男第一高校の2年生ガードで、1年の頃から主力として活躍する秀斗。昨夏の全国高校総体では決勝の残り5秒で逆転のスリーを決めてチームを日本一に導くなど、今後が期待される選手の一人だ。幼い頃から周囲から比較されてきたといい、兄の活躍は「嬉しいんですけど、なんか悔しかった」と胸の内のライバル心をのぞかせる。
春からは自らも「小さい頃から入学するのが夢だった」という福岡第一高に進学する。「第一高ではお兄ちゃんと一緒に日本一を目指したいです。あと、お兄ちゃんを抜くことが目標なので、全力で頑張ります」。全国トップクラスの環境で自分磨きを続ける崎濱の活躍に注目だ。
中学3年で188cm「目標はデュラント」横浜・新郷
最後にもう一人。沖縄県勢ではないが、出場した全選手の中でピカイチの才能をいかんなく発揮したプレーヤーを紹介したい。横浜ビー・コルセアーズU16の新郷礼音だ。神奈川県の豊田中学3年生。既に身長が188cmあり、腕も長い。インサイドでの高さを生かしたパワープレーだけでなく、ドライブも得意としている。
今大会では出場した3試合で20.6得点、15.6リバウンドという脅威の平均スタッツを記録。福島ファイヤーボンズU16との3位交流戦では、第3Qの残り時間2秒を切った場面で自陣ゴール下から対面リングに向けて放り投げたボールが、長い対空時間を経てブザーと同時にゴールを射抜くなど、スター性も備えているようだ。
目標としている選手は、208cmの高身長で内外から高確率でシュートを沈めることができ、「NBA史上最高のスコアラー」とも称されるケビン・デュラント(愛称:KD)。今後の成長次第では日本のトップクラスの選手になれるだけのポテンシャルを秘める新郷は「自分の強みは中にドライブで切り込んでからのシュートですが、KDのように中だけでなく、外からのジャンパーももっと決め切れるようになりたいです」と高い向上心をうかがわせた。