ワクチン接種・陰性証明活用でサービスや特典 沖縄県がガイドライン案

 

 沖縄県は感染防止と経済活動の両立に向け、飲食店やイベント、移動などについての「ワクチン接種・検査陰性証明活用ガイドライン」の素案を10月7日に発表した。ワクチンの予防接種済証や記録書、PCR検査陰性証明書を提示することで、割引や優先レーン導入などのサービスや特典を付与することについて、飲食店・イベント主催者・旅行や交通関連の関連の事業者ごとでの活用例を示している。活用は任意で、県の時短・休業要請の枠内での適用となる。

「差別的取扱いは許されない」

 県は基本的な考え方として、まん延防止の観点からワクチン接種は推奨されるものとしてはいるが、個人の任意でもあるため「接種の有無又は接種証明の提示の有無による不当な差別的取扱いは許されない」と念押ししている。ガイドラインは県内での感染状況や国の指針などを踏まえて随時見直す。11月上旬に想定される国の運用方針が確定するまでは試行期間で、その後本格実施となる。

紙・デジタル両方での運用を想定

 証明書を提示できるのはワクチン接種を受けられる12歳以上。証明手段は、ワクチン接種証明の場合、紙だと接種済み証(シール)の原本またはコピーと、本人確認証。デジタルであれば、国がリリース予定のワクチン接種済証明アプリかそれと同等の機能を有するものが必要となる。

 検査陰性証明の場合だと、紙は医療・検査期間が発行する証明書類(検査後72時間以内)か、検査結果のメールのコピーと本人確認証が必要で、デジタルならば提示者本人の氏名と72時間以内の検査時間が明記された検査結果のメールかアプリでの表示となる。あるいは、その場で抗原検査を行う現場確認も手段として挙げられている。

 紙とデジタルの提示手段について県は、「デジタル化が進んだ後も、情報通信危機に対応できない方向けに紙での証明書の提示を拒むことのないよう配慮が必要」と述べている。証明書の活用によるサービスの展開については原則として自由で、感染リスクを低減させながら社会経済活動を活発化させていくことが主なねらいだ。

沖縄県の発表資料より

 ガイドラインでは、飲食、イベント、旅行などの移動のシーン別で活用例を示している。例えば飲食では、証明提示による割引や料理・飲み物などのサービス提供、イベントでは入場料割引や優先レーンの設置などを挙げている。

 県は留意事項として、ワクチン接種証明が「感染防止対策を講じなくて良い許可証のように捉えることは適当ではない」と明記。さらに、緊急事態宣言下にもかかわらず証明を活用して酒類提供をするなど、要請や働きかけの範囲を超えて「誤った活用」をすることは認められないとも説明している。


真栄城 潤一

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1985年生まれ、那覇市出身。
元新聞記者、その前はバンドマン(ドラマー)。映画、音楽、文学、それらをひっくるめたアート、さらにそれらをひっくるめた文化を敬い畏れ、そして愛す。あらゆる分野のクリエイティブな人たちの活動や言葉を発信し、つながりを生み、沖縄の未来に貢献したい、と目論む。

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