対象年齢を引き下げ 広域センターなどでのワクチン接種
- 2021/8/31
- 新型コロナ・医療
沖縄県は30日、新型コロナウイルスのワクチン接種を行っている広域センター(宜野湾市の沖縄コンベンションセンター、那覇市の県立武道館)と那覇市のクルーズターミナルセンターについて、対象年齢を18歳以上から12歳以上に引き下げると発表した。
今回の措置は、モデルナ社製ワクチンの接種可能年齢を政府が引き下げたことに伴うもの。玉城デニー知事は同日、県庁で会見して「ワクチン接種を早期に、希望する全ての方に行えるよう全力で取り組んでいく」と強調した。
予約受付は、広域センタ―2カ所が31日午前10時から、クルーズターミナルについては9月3日午前10時からとなる。12~15歳がワクチンを接種する場合は保護者の同伴が必要という。
会見では、ワクチン接種を加速するため、広域センターとクルーズターミナルセンターでの接種枠を拡大することも明らかにされた。厚生労働省がモデルナ社製ワクチンの供給量を増やしたことで拡大が可能となった。
沖縄コンベンションセンターと県立武道館では、1週間に接種可能な回数が4500回から最大7700回に増加する。クルーズターミナルセンターでは、これまでの3倍となる週1万500回の接種が可能になる。
ファイザー社製ワクチンの接種を行っていたクルーズターミナルセンターでは、9月6日からモデルナ社製に切り替わり、エッセンシャルワーカーだけでなく一般の接種もできるようにする。
玉城知事は、ワクチンの供給増について「緊急事態宣言の地域、感染者数や重症者数の厳しい地域は、モデルナ社製のワクチンをできるだけ多めに配布する流れになっていると聞いている」と説明した。
また、会見では若年層へのワクチン接種を促進するため、沖縄コンベンションセンターと県立武道館で20代と30代の優先接種を実施することも発表された。9月8日、11日、15日に行うほか、同月後半にも予定している。実施日の午後2時半と午後5 時半から整理券を先着順で各100人に配布するという。
このほか、沖縄市の県総合運動公園・中央口駐車場にドライブスルー方式で接触者用のPCR検査センターを設置する。9月1日から運用を開始し、午後1時~午後8時まで稼働する。土日祝日も検査を行うといい、当面は1日当たり200人の検査を目安としている。
県、旅行前検査の徹底など要請
玉城デニー知事は30日、県庁からオンラインで西村康稔経済再生担当相や河野太郎新型コロナワクチン接種担当相と相次いで会談し、緊急要請として、新型コロナの旅行前検査の徹底と強化などを要望した。西村担当相は「移動に伴う感染拡大を防ぐための方策を県と連携して対応していきたい」と応じた。
要請書では、県内の新型コロナウイルスの感染状況と、医療提供体制の逼迫(ひっぱく)は極めて危機的な状況にあるとして▽ファイザー社製ワクチンの早期提供▽旅行前検査の徹底・強化▽感染状況に応じた対策に係る財源措置▽国の取り組み強化-の4項目を要望した。
玉城知事は、公開された西村氏との会談で、県内の感染状況について「海外諸外国だとロックダウン相当のレベルとなり、県内の医療界や医師会からは、沖縄独自のロックダウンをやって人流を抑制してほしいとの要望があった」などと説明した。
また、「このような危機的な状況から脱するためには、離島の離島である地域を含めた沖縄は、水際対策を強力に取り組むことが必須である」と強調した。
具体的には、国が実施する搭乗前検査の継続と受検率向上に向けた検査体制の拡充を求めたほか、搭乗前検査で陽性となった場合のキャンセル料を補填(ほてん)する仕組みの整備などが必要だと訴えた。
西村氏は、航空便のキャンセルについて「航空会社とも話をして、9月12日まではキャンセル料を取らないと聞いている」と述べた。
(記事・写真 宮古毎日新聞)