宮古島のコロナ感染、3日間で100人超
- 2021/1/28
- 新型コロナ・医療
1月後半に入り、宮古島市で新型コロナウイルス感染症が爆発的に拡大している。28日時点で、直近1週間の新規感染者数(人口10万人当たり)は公表日ベースで258.12人、感染と確定した日ベースでは236.16人となり、沖縄県平均39.88人の約6倍、全国で最も多い東京都(52.34人)の4~5倍と、深刻な状態が続いている。
感染の急拡大を受け、座喜味一幸市長は26日に会見を開いて「危機的状況」と強調し、公園など市施設の使用を2月7日まで全面的に禁止することを発表したほか、▽生活に必要な買い物等以外の不要不急の外出自粛▽会合や会食を控えて人との接触を減らす▽島外からの旅行や帰省の自粛-などを求めた。27日には、市立の幼稚園と小中学校を一斉に休校することも発表された。座喜味市長は、県立学校の休校要請にも前向きな姿勢を示している。
県によると、宮古島市での感染確認は、これまでに375人。1月の感染は、半数を超える204人に上る。さらに、このうち約9割に当たる178人が1月15日以降に感染と判明した。28日には、同市として過去最多となる35人の感染が明らかにされ、26日から3日間での感染発表は102人に達した。
感染者の入院が急増し、コロナ対応病床が満床状態となっている県立宮古病院は、26日から一般外来を休止した。25日に会見した同院の本永英治院長は「院内の感染リスクが高まっている。院内感染が発生すれば、宮古島の医療が崩壊する」と危機感をあらわにし、行政に対して「ロックダウン(都市封鎖)のような政策」を求めた。
宮古島市では、1月に入り高齢者施設でも21人が感染するクラスターも発生。県は、28日までに専門的な看護師3人、医師3人、保健師3人を宮古地区に派遣したほか、今後もローテンションを組んで看護師などの派遣を行う予定。このほか、県は病床の確保を急いでおり、ホテル療養の拡充も検討している。より高度な治療を必要とする重症者が出た場合には、沖縄本島への搬送も含めて検討しているという。
28日時点で、宮古地区での療養者数は161人。このうち、入院しているのは宮古病院の44人、民間病院の10人。そのほか、宿泊施設療養中20人、入院調整中43人、高齢者施設での療養24人、自宅療養20人。
感染拡大、選挙も要因?
新型コロナウイルスに関する県専門家会議委員で中部病院医師の高山義浩氏は27日、自身のFacebookを更新し、宮古島市での感染者急増について、「若者たちの流行ではない。帰省や成人式とは異なる、何かがあったと考えるのが自然だ」と述べ、17日に投開票された市長選の影響があったのではないかとの見方を示した。
高山氏によると、感染者を年代別に見た場合、県全体では20代が最多で60代は比較的少ないのに対し、宮古島市では60代の感染者が20代を上回っているという。また、宮古島市で突然、感染者が急増したことにも疑問を呈し、「若者たちに自覚を求めることも大切だが、政治家の皆さんも範を示してほしい」と呼び掛けている。
高山氏は「選挙は民主主義の根幹。やり抜かなければなりません」とした上で、「選挙事務所で会食を重ねていませんでしたか?まさか、お酒を飲んだりしていませんよね?祝勝会などしていませんよね?」と、警鐘を鳴らした。
(記事・写真 宮古毎日新聞)