緊急事態宣言を国に要請
- 2021/5/19
- 新型コロナ・医療
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、県は19日、政府に対して緊急事態宣言の対象区域に沖縄を加えるよう要請した。経済界から強い反発が出ていた飲食店などに対する酒類の提供自粛要請は見送った。
同日、謝花喜一郎副知事が東京出張中の玉城デニー知事に代わって会見し、県の方針を明らかにした。県は、18日の対策本部会議では経済界に対して再び説明を行う必要があるとして、結論を先送りしており、1日遅れての判断となった。
一方で、県内の新規感染者数は18日、19日の両日とも過去最多を更新した。19日には、初めて200人を超えて、203人となった。謝花副知事は「医療提供体制の危機的状況は、大型連休後に深刻さを増している」と強調した。
県によると、県内の感染状況は国の基準で4指標がステージ4相当、その他もステージ3以上になるという。また、直近1週間当たりの新規感染者数は全国4位の57.17人で、緊急事態宣言の対象地域と同水準となっている。
謝花副知事は、現状について「極めて危機的な状況。医療の状況は、今まで県が経験したことがない。新型コロナ対応の病床数を473まで引き上げているが、18日時点で入院者数が444人。本当に残りわずかだ」と危機感をあらわにした。
また、中等症以上の入院患者数が200人を超えていることも指摘し、「経験したことのない数字。今はまだ若年者が多いが、これから高齢者が感染した場合には、本当に救える命が救えなくなる」と語った。県は19日、「医療非常事態宣言」を発出した。
県の対応、今後に検証も
同日の会見では、記者団から「何故、連休のたびに感染が拡大するのか。どうして繰り返されるのか」との質問も出た。
これに対して、謝花副知事は「もっと厳しい措置を取るべきだったのではないかとの指摘だと思うが、ゴールデンウイークは稼ぎ時で、多くの方から『今回はやめてほしい』との強いメッセージがあった。庁内でも議論があり、ベストではないかも知れないがベターなものとして、(緊急事態宣言区域などからの来県は)厳に慎んでほしいというメッセージを出した」と述べた。
その上で「結果として、そういったことになったのは大変残念。あの時に、どうすれば良かったのかは検証しなければならないが、まずは厳しい医療提供体制を、どうしても守らなければならない。県民、事業者の皆さまの理解と協力を得て、県民一丸となって危機を乗り越えていくことが大事だ」と語った。
(記事・写真・図 宮古毎日新聞)