外出自粛や時短要請も検討 コロナ対策で
- 2021/3/27
- 新型コロナ・医療
県内で新型コロナウイルスの感染が急拡大しているのを受け、玉城デニー知事は26日、県庁で臨時会見を開いた。玉城知事は、「感染拡大を食い止める必要がある」として、県民に対する外出自粛要請や、感染者が増加している要因の一つである飲食店などに対して、営業時間の短縮要請も検討していることを明らかにした。29日の県対策本部会議後に、具体的措置が発表される可能性がある。
県内での1日当たり感染者数は、県独自の緊急事態誓言が継続していた2月中旬には概ね20人以下を維持していた。ただ、同宣言が解除されて以後は感染者数が増加し、23日以降は平均で80人近くまで拡大を見せている。
感染の大幅な増加を受け、県は26日に経済団体との会議を開催して、感染状況や今後の対策を議論した。玉城知事は「行政と業界が一体となって感染拡大防止策を図ることが重要という点で一致をした」と述べた。一方で、「時短要請があるとしても準備期間を設けてほしい」との意見も出たという。
会見で、玉城知事は時短要請に伴う財政的な支援を国に要請することも視野に入れているとの考えを示した。また、西村康稔経済再生担当相から連絡があったことにも触れ、県内の感染状況について大変憂慮していることや、強い措置を講じる必要もあるのではないかとの提案があったことも明らかにした。
玉城知事は「私権や経済活動を制限する対策については、重大な判断になる」とも指摘した。28日に再び経済団体との会議を開くほか、感染状況や医療関係者による専門家会議などを踏まえ、対策を「総合的に判断する必要がある」との認識も示した。
会見で玉城知事は「大事なことは、みんなが今の危機感を共有し、確実に実践すること」と強調。さらに、当面は歓迎会や送別会、できれば模合などの飲み会の自粛のほか、体調に不安のある人や、旅行を予定している場合は、事前の健康観察とPCR検査を受検するなどの協力を求めた。
また、「一日でも早く元の生活を取り戻すためにも、お互いに『マスクを付けているか』『3密は避けて、時間は短くね』そういう声を掛け合いながら、感染拡大防止を一緒に頑張っていきましょう」と、改めて県民に呼び掛けた。
松山地区で大規模検査実施へ
同日は昨年夏に感染が拡大した那覇市松山地区で、接待や接触を伴う従業員を対象に、集中的な無料PCR検査を実施することも発表した。期間は27日から来月11日まで。1日あたり100人を想定し、16日間で1600人に対し無料検査を実施する。
このほか、人の移動の増加に伴う感染拡大リスクを軽減するため、那覇空港で検査を受けられる那覇空港PCR検査プロジェクト(NAPP)に学割を導入し、対応件数を増加するなどの拡充を図ることにも言及した。