夏休みの国内旅行 沖縄が一番人気 大手旅行会社が調査

 

 旅行会社大手の株式会社エイチ・アイ・エスはこのほど、夏休み期間中(7月21日~8月31日)の予約状況から、旅行動向を割り出した。国内旅行先としての一番人気は沖縄県で、予約状況の前年比は417.4%と4倍以上となった。同社は「日本全国での旅行市場の回復が急速に進んでいる」としている。

「リベンジ旅行」が盛況

 今年の6月13日と、昨年の同日の予約状況を比較してこの1年の変化を調べた。

 沖縄県への旅行者のうち、75%が沖縄本島、15%が宮古島、8%が石垣島での旅行を予約しているという。沖縄旅行での移動手段の筆頭でもあるレンタカーについては昨今、供給不足や値上げなどが課題として指摘されており、エイチ・アイ・エスは「レンタカー会社によってはお盆など需要が集中する日付の予約が取りづらい傾向にあります」と注意を呼び掛けている。また、8月に「沖縄全島エイサー祭り」が3年ぶりに開催されることも言及し、目玉イベントと位置付けている。

 国内旅行の人気ランキングで、2位は北海道、3位は長崎県、4位は大阪府、5位は福岡県と続いた。

 北海道は夏季でも過ごしやすい気候に加え、家族連れに人気のある施設が充実していること、長崎県は夜景スポットが豊富にあることが要因として挙げられている。

 国内旅行全体では486.4%の増加で、47都道府県のうち約9割が前年を上回る予約者数だったことから、同社は「近距離旅行から遠距離旅行まで、幅広い旅先への需要が伺えます」と分析している。コロナ禍で旅行を断念していた人も多く、今回こそは旅行に出かけようという「リベンジ旅行」が盛況したとの見方だ。

 1人あたりの平均単価は79,500円(前年比92.1%)だった。緊急事態宣言下で減便されていた前年よりも便数が戻って飛行機の座席が取りやすくなったことや、LCCの運航が再開したことなどが影響しているという。

戻りの鈍い東アジアの国際線

 国際線の供給席数をコロナ禍前の2019年と比較すると、日本を含む東アジアは13.1%に過ぎず、ほとんど回復が見られていない現状だ。西ヨーロッパで89.2%、北米で83.2%と大きく回復しているという。

 沖縄県全体としても、観光資源の豊富さや地理的な優位性を生かして旅行需要の喚起が待ち望まれる。同社は「人と人が出会い、時間を共有し、その土地の素晴らしさを知り互いの理解を深め、地域の活性化にも寄与できる、旅には大きな力があると思います」と、改めて旅行の魅力を発信している。


長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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