「観光事業者への支援行き届いていない」 観光団体が再興支援要請

 
再びの“まん防”発出・延長により国際通りにも人出はまだ戻っていない

 新型コロナウイルス感染症の影響で観光産業が大打撃を受けている現状を踏まえ、観光関連団体で構成する「沖縄ツーリズム産業団体協議会」と、県内各市町村の観光協会が連携してつくる「沖縄県観光協会等協議会」が1月26日付で沖縄県と県議会に要請書を提出した。

 要請の内容はコロナ禍における観光産業の再興に向けた支援などについて。オミクロン株の流行によるまん延防止等重点措置の発出・延長を受けて、観光産業回復のための支援を求めている。

損失はこの2年間で約1兆円

 要請文では、沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)とりゅうぎん総合研究所が合同発表したコロナ禍の県経済の影響について触れ、観光収入が2019年度比で65%減、この2年間での損失推計が約1兆円に上ることを説明。

 昨年の緊急事態宣言解除後に回復の兆しが見えたのものの、観光事業者に十分な支援が行き届いていない現状を指摘し、以下5点を要請している。

「新型コロナウイルス感染症の影響を受けている観光産業の再興に関する条例」に基づく経営支援

「まん延防止等重点措置指定に伴う沖縄県対処方針」を受けてのキャンセルに対する事業支援

ワクチン接種率向上、PCR検査の拡大、抗原定性検査キットの流通確保

観光回復に向けて令和4年度の観光予算確保

まん延防止等重点措置延長に伴う方針緩和

 詳しい要請内容として、①については、沖縄県観光産業の経営実態調査を実施し「データに基づいた経営規模、損失額に応じた明確な支援」の検討を求めた上で、現在支援を受けている飲食業“以外”の事業者に対して事業規模に応じた経営支援を講じるよう提案している。

 ②では「おきなわ彩発見キャンペーン事業」の一時停止がキャンセル料補填のみでは補うことができない多大な損害を被っている現状を受け、取り扱い数に応じた事務経費の損害補填や、修学旅行・団体旅行のキャンセル分の損失補填についても求める。

 “まん防”の延長を受けた⑤に関しては、オミクロン株のリスク特性を考慮した上で同居家族や一定の人数制限などの感染対策を講じ、「おきなわ彩発見」の再開できるよう方針の緩和を要請している。


真栄城 潤一

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1985年生まれ、那覇市出身。
元新聞記者、その前はバンドマン(ドラマー)。映画、音楽、文学、それらをひっくるめたアート、さらにそれらをひっくるめた文化を敬い畏れ、そして愛す。あらゆる分野のクリエイティブな人たちの活動や言葉を発信し、つながりを生み、沖縄の未来に貢献したい、と目論む。

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