新しい働き方「ハタケーション」で、沖縄の価値を創出

 

 コロナ禍の新しい働き方として、旅行先で仕事をする「ワ―ケーション」に注目が集まっている。観光客が激減した沖縄でも、各自治体や旅行会社などが次々とワ―ケーションプランを創出しているようだ。

 そんな中、全く新しい価値をもつワ―ケーション「ハタケーション」が試験的に実施された。ハタケーションを企画・提案するのは、那覇市を中心に、県内(離島含む)5店舗のレンタルオフィス「howlive(ハウリブ)」を運営する、株式会社マッシグラ沖縄タイムスだ。

 ハタケーションとはその名の通り「畑」×「ワーケーション」の造語である。地域の畑仕事を手伝いながら、ワーケーションを行うというものだ。

 ハタケーションの実施場所となったのは宮古島。「ハタケーション」を通してワーケーションや観光とは違う形で沖縄の魅力を伝えていきたいという、株式会社マッシグラ沖縄タイムス代表取締役の金子智一(かねこともかず)さんに話を聞いた。

宮古島のローカルを知るきっかけづくりに

 ハタケーション第一回目は、完全無料のモニターツアーとして2020年11月に実施された(※2021年にも実施が予定されていたが、新型コロナウイルスの影響により延期。振替日は未定)。滞在期間は11月18日(水)~11月24日(火)の7日間。ワーケーションは宮古島ICT交流センター(Wi-Fi・電源完備の会員制のコワーキング施設)にて行い、体験者は自治体が用意するエコハウスに宿泊した。

 ハタケーションのルールは至ってシンプルだ。「午前中だけ地元農家さんの畑に出向き、畑仕事を手伝うこと」だけがルール。あとは日中ICTセンターにて自由にテレワークを行いながら(※土日祝日のみ利用不可)、観光や食事は自由に楽しんでもらうというものである。

 きっかけは宮古島市からの相談だった。宮古島は空港から市街地が離れていることや、広い面積を誇るリゾートホテルも多いため、観光客がホテルと飛行場の往復で終わってしまうことが少なくないという。もっと宮古島の魅力を堪能して欲しい、ローカルなスポットにも足を運んでほしいという想いが市にあった。そこで長年シェアオフィスを運営する金子さんは「ハタケーション」を提案。宮古島市の所有する施設と金子さんのワーケーションノウハウを連携させる形で実施が決定した。

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