宮古島、コロナとの苦闘続く
- 2021/8/27
- 新型コロナ・医療
市長自らが新型コロナウイルスの「世界最悪の感染状況」と語った宮古島市。直近1週間の新規感染者数(人口10万人当たり)は26日時点で346.00人となり、一時よりは低下したものの、全国ワーストの沖縄県平均(316.28人)を上回る状況が続いている。
沖縄県内で猛威をふるう新型コロナの「第5波」は、7月下旬に沖縄本島で感染が急拡大する形で始まった。当初、比較的に感染が抑えられていた宮古島では、「沖縄本島は深刻な状況になっているようだ」との声も聞かれていた。
しかし、8月上旬からは宮古島市でも飲食関係、観光、ダイビング、土木建築関係で宮古島に来ている作業員、若者の間で感染が広がり、座喜味一幸市長が会見で観光目的や帰省の来島を「中止」するよう訴えた。
市は感染対策として一部の観光施設を閉鎖するも、立ち入りを制限するカラーコーンが外されて閉鎖中の駐車場がレンタカーで満車状態になる事態も発生。人気の観光地としての悩みも浮き彫りとなった。
その後、市は駐車場の閉鎖を強化したが、レンタカーの路上駐車が相次ぐなど、いたちごっこの状態となっている。
市は、陸上自衛隊宮古島駐屯地の保良訓練場(弾薬庫)への誘導弾(ミサイル)などの搬入のため防衛省が求めていた港湾使用申請について、新型コロナの感染拡大状況を理由に不許可とし、日程の再考も求めた。
感染の乳児、沖縄本島へ急患搬送
宮古島市で入院中のコロナ患者は、26日時点で23人(重症2人、中等症9人、軽症12人)。宿泊施設療養中なのは33人、自宅療養中202人、入院等調整中は46人に上る。25日には、乳児とみられる症状が悪化した患者が自衛隊機で沖縄本島に急患搬送された。
高齢者のワクチン接種が進んでいる宮古島市では、若年層が感染の中心となっているが、乳児の感染に衝撃が広がった。市民からは「とても怖い。感染防止をこれからも徹底したい。(搬送された子供は)元気になってほしい」との声があがった。
座喜味市長は「大変ショック。元気に回復してくれることを心から願っている」と険しい表情を見せた。感染収束が見通せない宮古島。離島の苦闘は続いている。
(記事・写真 宮古毎日新聞)