コロナ感染拡大、歯止めかからず  最多更新809人感染 

 
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、県の対処方針を発表する玉城デニー知事=25日、県庁

 県は25日、新型コロナウイルスで、県関係全体で過去最多を更新する809人の新規感染を確認したと発表した。感染拡大に歯止めかからない状況で、県内に入院中の重症患者は4日連続で過去最多となる35人に達した。

 玉城デニー知事は同日、県庁で会見し、「県内の感染状況は未だピークは見通せず、医療提供体制の逼迫(ひっぱく)は極めて深刻な状態」と危機感をあらわにした。

 玉城知事は会見で、夏休み後に学校を再開する方針を示したものの、県立学校では分散登校を実施し、学校などの感染状況に応じて学級閉鎖や学年閉鎖、臨時休校も実施可能とした。

 学級閉鎖や学年閉鎖などの判断について、金城弘昌県教育長は、県立学校は県内を約10ブロックに分け、学校と教育委員会で感染状況を確認して意見交換した上で、ブロック単位での実施も検討するとの認識を示した。

 また、玉城知事は、健康などに不安があり出席できない児童生徒に対しては、「欠席扱いにしないことや、オンラインなどを活用した学習支援に努め、進級や進学などに不利益が生じないように柔軟に対応する」との方針を示した。

 小中学校については「県立学校の対応を参考に、地域や学校などの感染状況を踏まえた判断をお願いする」とした。部活動は、全国大会に派遣が決定している競技以外は、9月12日まで引き続き原則休止とした。

 玉城知事は、子供を感染から守るため「何よりも家庭にコロナウイルスを持ち込まないことだ。(感染者の)ほとんどは大人の範疇だ。大学生も、夏休みの期間、キャンプやドライブに行ったらどうなるか。大人はそういうことを、少し考えて、感染拡大の防止に努めてほしい」と強調した。

 那覇市は同日、市立学校を8月30日~9月5日の期間は臨時休校とし、オンライン授業を行うとしており、感染の拡大に伴い市町村にも危機感が広がっている。

県外からの渡航「やめて」

 25日の会見では、玉城知事は県外からの渡航者に対して、沖縄が緊急事態宣言下であることを踏まえ「県外からの沖縄への渡航はやめてほしい。医療現場は崩壊寸前だ」と述べ、渡航自粛を強く求めた。

 これまで、県外との往来については「自粛してほしい」との表現だったが、感染拡大が続く中でさらに踏み込んだ表現となった。新たに変更された県の対処方針では、離島との往来についても、同様に「やめてください」という強い呼び掛けとなった。

 休業・時短要請に応じていない飲食店などの利用については、感染が頻発しているとして「絶対にやめてください」との強い表現で訴えた。

抗原検査キットを活用

 県内での新型コロナの検査体制は、1日9000件だった5月から、今月は1万3000件に拡充している。県は、国の事業を活用するなどして、学校や幼稚園、保育所で働く教職員、医療機関、高齢者施設、障害者施設のほか、交通事業者や建設業、飲食業などへ抗原検査キットを配布するとした。

(記事・写真・図 宮古毎日新聞)


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