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「こども庁」構想に迫る①子供たちを取り巻く危機を打開できるか
- 2021/8/28
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「横割り」や「年代割り」の弊害も
このように縦割りの問題を挙げるだけでもキリがありませんが、地方自治体の予算規模や組織体制などの地域間格差といった「横割り」の問題、「小1プロブレム」に象徴される年齢による政策の落差といった「年代割り」の問題も指摘されています。
子供を取り巻く環境は未だ危機的な状況にあり、改善すべきことは山積しているといえます。当然今でも様々な政策が実行されていますが、このままのやり方では大きな効果は期待できないでしょう。
子供の命を保証し、健全な暮らしや教育を保証し、明るい未来を創っていくことは、政府のみならず社会全体の根本的な使命です。子供を取り巻く環境の改善に向けて、今こそ、社会全体の仕組みそのものを大胆に改革する必要があるのです。
突如動き出した構想 本当に実現できるのか
実は、こども庁構想に似た議論は過去にも何度かありました。特に、民主党政権時代には「子ども家庭省」として、関連法案の策定作業に入るほど具体的に検討が進んでいった時期もあり、政権交代後も同様の議論はありましたが、結局実現を見ないまま現在に至ります。
今回の構想の発端は、今年の1月。これまで子供関連の施策に積極的に取り組んできた自民党の山田太郎氏が示した私案に対し、菅総理が強い意欲を見せたことから、自民党内の有志で議論がスタートしました。
4月には自民党内で「『こども・若者』輝く未来創造本部」を立ち上げ、総理に提言を行ったことから、政府内でも検討を進めることとなり、7月にはその初会合が開かれました。そこで加藤官房長官は、基本方針を年内に策定するよう指示しています。
これまで実現できなかった一大プロジェクト。霞が関に1つの省庁を作るというのは、とてつもないエネルギーを必要とします。社会の仕組みを大改革する素晴らしい理念ですが、果たしてそれに適う組織体制と、真に実のある政策は実現できるのか。いま、こども庁から目が離せません。
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