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アルゼンチン県系3世の感性で独創的シーサー爆誕!中城村に工房
- 2022/5/17
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アルゼンチンの県系三世の新門春助マルティンさん(36)が、妻・香乃実さん(28)と一緒に、昨年7月から中城村和宇慶でシーサー工房「新シーサー(Mi Shisa)」を構えている。従来の沖縄のシーサーに縛られず、沖縄の歴史を振り返り平和への祈りを込めた「ガマを爆撃から守るシーサー」などストーリー性の高い独特の作品を制作。ダイビングを悠々と楽しむ「ジンベイザメシーサー」や、沖縄の格好と指に光るリングをつけた「新郎新婦シーサー」、趣味や好きなものを取り入れたオーダーメイドの作品に、お客さんから「こんなのが欲しかった」と喜ばれている。
☆「新シーサー(Mi Shisa)」インスタグラム
https://www.instagram.com/mi.shisa/
沖縄戦など歴史を表現
工房名「新シーサー(Mi Shisa)」の「新」は、新門と新垣香乃実さんの旧姓の頭文字からつけた。呼び方は、うちなーぐちで「みぃー」と発音し、母国語のスペイン語では「私の」という意味がある。
マルティンさんのシーサー作品は、自身が感じるインスピレーションを元に制作しており、幻想的な感性溢れる陶芸作品が多い。そのため、はじめて工房に訪れる人は、新しいスタイルのシーサーを見て驚く人が多いという。
沖縄戦をテーマにした作品では、集団自決をモチーフに取り上げることも多い。シーサーで表現して次世代に語り継ぎたいという想いがある。「ガマを爆撃から守るシーサー」や、「ガマの中で手榴弾を持って自決していく民間人を守ろうとしても守りきれなかったシーサー」「集団自決で崖から飛び降りる人たちを守ろうとするシーサー」などを制作した。
シーサーは、ガマの上に立ち、御霊を守る所作などを意識。よく見ると、民間人の足跡も細かく刻まれ、ガマの中には、無念の死を遂げた人々を包む鎮魂がいくつもあるなど細かな作業が施されている。
オーダーメイドでユニークなシーサーも
海好きなお客さんには、ダイビングを悠々と楽しむ「ジンベイザメに乗ったシーサー」と「波乗りシーサー」のセットを制作。umiと刻まれた酸素ボンベを担ぎ、口にはシュノーケルをくわえ、足ヒレが可愛いチャームポイントとなっている。
企業の社名看板やロゴシーサーの制作も手がける。農園には、育てている作物を手に持ったシーサー。居酒屋なら、おちょこと泡盛を持ったシーサー。FC琉球のロゴを陶芸した作品なども制作し、チームに寄贈した。