かつて琉球の人々が通った「長虹堤」を歩いてみる
- 2021/8/10
- 社会
様々な逸話が残る十貫瀬
十貫瀬と呼ばれた由来はこうだ。
昔、一人の男が長虹堤を渡る途中この小島の麓で休憩をし、岩の上に十貫(お金)を置き忘れてしまった。数年後に再び立ち寄ってみると、なんとその十貫は誰に拾われることもなく、そっくりそのまま置かれたていたという。その不思議な話から人々がこの小島を十貫瀬と呼ぶようになった。
また、この十貫瀬には7つのお墓が並んでおり、七つ墓とも呼ばれる。そのお墓にまつわる幽霊話もある。
その昔、十貫瀬近くのとあるお店に、一人の女が毎日飴を一つだけ買いに来た。しかし朝になると、女が払ったお金はウチカビに変わってしまう。気になった店主が女の後をつけて行くと、女はお墓の中へ消えるように入って行った。びっくりした店主が墓の中を覗くと、すでにこの女は亡くなっており、赤ん坊が抱きかかえられるように飴を舐めていた。気の毒に思った店主が赤ん坊を引き取り連れて帰ったところ、それ以降女は現れなくなったという。
十貫瀬の後ろにはガーブ川が流れており、川に架かる橋には十貫瀬橋という名前が付いている。欄干もカッコ良く、古銭の模様が施されている。
普段何気なく通っていた道が、王朝時代に築かれた海中道路だったとは驚きではないだろうか?
徒歩で訪れた際には、王朝時代の人々の歩みを感じて欲しい。