海ぶどうが「big mam」!? 福祉支援で観光資源を社会資源へ
- 2021/8/3
- 食・観光
「観光資源を社会資源に」
1年ほど前から、うるま市にある離島・宮城島で海ぶどうを養殖し販売している森田直広さんが取材のやりとりの中で発した印象的な言葉だ。普段は飄々として、訳のわからない冗談を止めどなく連発しているが、この時は真顔になった。自身で立ち上げた合同会社「波と風と」でうるまの海が育む海産物を販売し、その売り上げの一部をさまざまな福祉活動の支援に充てている。
個性的な商品でさまざまな支援
「特に海ぶどうに興味があったわけではないんだよね」と、いきなり突っ込みを入れたくなるようなセリフから語り始めた森田さん。かつて琉球大学の海洋自然学科で海藻の研究をしていたという理由で、廃業して放置されていた海ぶどうの養殖場を知人から紹介されたという。それが「波と風と」を始めるきっかけだった。
「ビーチのすぐ目の前で、ロケーションもすごく良いなと思ってやろうと決めた。正直言って、大学で勉強したことは現状では特に役立ってないかな(笑)」
現在の商品ラインナップは5種類。それぞれの特徴に合わせてユニークな名前がつけられており、さらに商品ごとに寄付先が分けられている。長く大きく育った海ぶどう「big mam」はひとり親支援、早摘みの短く小さな海ぶどう「tiny baby」は子ども支援で、塩漬けにした旬のもずく「shy grandpa」と丁寧に処理した乾燥アーサ「dancing grandma」は高齢者支援、そして海ぶどうを乾燥させて作った天然塩「green caviar salt」は海の保全活動支援といった具合だ。