海ぶどうが「big mam」!? 福祉支援で観光資源を社会資源へ

 

楽園じゃない沖縄の側面

 売り上げを通じて社会活動を応援しようと考えたのは、以前の仕事で行政や1次産業、そして福祉事業に携わったからだった。

 東京出身の森田さんは琉大への進学のために沖縄を訪れ、卒業後一時は県外に出ていたものの、7~8年前に再び沖縄に舞い戻ってきた。その頃は糸満地域の魅力に惚れ込み、仕事で行政と連携しながら福祉のプロジェクトにも参加していたという。
 その中で、福祉事業そのものや生産者の高齢化が進む農業が、あまりにも「お金にならない」現状を目の当たりにしたことが下地にあり、今につながっている。

「沖縄県は『観光立県』ということを言っている。そうであれば、観光の側から沖縄で困っている人たちを支援していけないかと思って。観光資源を一定数は地元の社会資源に還元していくということかな。うちの海ぶどうを手に取った色んな人たちに、楽園のような南国イメージだけではない沖縄の側面も知ってほしいという思いも込めている」

宮城島の波と風を全国に

 森田さんは「実は海ぶどうは放っておいても育つ」と言い放つ。が、その一方で「商品として育てるのは難しい」という。

 海ぶどう独特のプチプチがある“房”の部分がポイントで、この部分をぎっしりとした形で育てることが重要になる。養殖を始めたばかりの当初は、何となく育てたらそれなりに育ったので「できたことに喜んだ」。しかし、房の部分がスカスカになったり、全体が細かったり、色が白くなったりするなど、なかなか上手くいかず他の生産者の商品と比べた時にかなりの違いを感じ、改善の必要性を痛感した。

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