「甲子園はまだ夢の続き」 あの夏、僕らは… 知念高校野球部 

 
サヨナラのホームを踏んだ知念高校・國吉翔太選手

 東京オリンピック2020大会が開催されている最中だが、全国各地で高校野球の都道府県大会が行われ、8月9日から始まる第103回全国高校野球選手権大会に出場する49校が出揃った。

 沖縄県代表は、昨年に続き沖縄尚学高校が出場を決めたが、県大会では波乱が起こった。春の選抜高校野球大会で21世紀枠として沖縄勢として6年ぶりに甲子園に出場し、その後の九州大会でも優勝した第一シードの王者、具志川商業高校が、準々決勝でノーシードの知念高校にサヨナラ負けを喫したのだ。甲子園初出場初勝利で自信をつけ、優勝最有力候補と言われた具志川商業がまさか…の敗戦である。

今大会の台風の目

 大金星を上げ、39年ぶりのベスト4となった知念高校は、今大会の台風の目となったと言える。創部は昭和23年。昭和37年と57年の2回、県大会の決勝に進出し、いずれも準優勝に終わっている。そして今年のベスト4進出は、昭和57年の準優勝以来、39年ぶりの好成績だった。

 今年のメンバーは昨年の秋から全て3年生で揃えた。しかし、新チームになってすぐに主力メンバーだった選手が靱帯損傷、全治8ヶ月という大けがを負うアクシデントが起きた。毎日リハビリをする姿をみて、「みんなでカバーしよう」と、一層練習に励むようになった。「仲間が復活するまで、どこよりも長い夏を迎えよう」と目標を立て意識がひとつになった。

 組合わせが決まり、城間理希主将の「勝ち続ければ具志商とあたる。モチベーションが上がった」という言葉通り、3回戦まで順調に勝ち上がり、いよいよ準々決勝、具志川商業戦を迎えた。「練習の時から常に僕らは失うモノは何もない。当たって砕けろと言っていました。試合前にも楽しんでいこうとベンチで声を掛けた」。と主将はいう。

円陣を組む

 照屋拓己監督も、大けがから復帰した選手を起用。「何回まで行ける?5回までか。わかった。それまで任せた!」と送り出した。

 試合は初回、具志川商業が2点を先制、「さすが隙もないな」。と感じながらも、前日、ビハインドを想定して練習したことを生かそうと、慌てずに知念らしくつなぐ野球を貫いた。怪我から復帰した選手も3打数3安打の大活躍。8回に相手のミスから同点に追いついた時点で「行ける!」と確信、そして9回のサヨナラを呼び寄せた。

サヨナラでチームメイトが駆け寄る

 残念ながら準決勝戦で中部商業に敗れたが、照屋監督はこう振り返る。「今年の3年生は常日頃から野球だけでなく、自分に克つことを実行してきた。面倒なこと、イヤなことも進んでやる。心の整理整頓がしっかり出来ている生徒たちだった」

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