県「大きな衝撃と危機感」 コロナ感染急拡大

 
会見で新たな県の対処方針を発表する玉城デニー知事=29日、県庁

 県は29日、新型コロナウイルスの新規感染者数が392人と過去最多を更新したと発表した。玉城デニー知事は県庁で会見し、「非常に大きな衝撃を持って受け止め、強い危機感を抱いている」と強調した。政府は同日、感染が急拡大している沖縄と東京について、緊急事態宣言を31日まで延長するほか、大阪、神奈川、埼玉、千葉で新たに緊急事態宣言を発出する方針を固めた。

 会見で、玉城知事は感染拡大を受けた県の対処方針も発表した。大規模商業施設(生活必需物資を除く)に対して新たに土日祝日の休業要請を行ったが、大部分は飲食店への時短・休業要請など従来対策の継続にとどまった。

 県有施設については、引き続き原則休館を継続するとともに、市町村立の施設についても同様の取り扱いをするよう働き掛けるとした。映画上映も平日午後9時までの時短と、土日は休業を要請するほか、市町村などと連携し、飲食店や繁華街への巡回を強化する方針などを示した。

 学校に対しては、部活動は原則中止とした。ただし、例外として九州・全国大会に出場する場合や、夏季休業期間中は、活動を2時間以内に制限し、各関係競技団体の感染症対策ガイドラインに基づいて行うとした。

 玉城知事は、「外出すると誰でも、どこででも感染リスクがある状態だ」として、不要不急の外出や都道府県間の移動の自粛、特に午後8時以降の外出を控えるよう県民や渡航者らに強く求めた。 

 また、感染力の強いインド由来のデルタ変異株の影響についても、入院して酸素投与などの治療が必要なコロナ患者は、20代12.8%、30代19.4%、40代35.3%、50代41.0%となっていると言及。その上で、「感染後の後遺症についてもまだ解明されていない」と強調して、感染対策の徹底を呼び掛けた。

政府との意思疎通に課題

 会見では、記者団から「8月22日までとなっている緊急事態宣言の期間を、政府が同31日まで延長する方針を固めたとの一部報道があるが」との質問も出た。これに対して玉城知事は「ネットニュースで見たが、まだ具体的な話は来ていない」と述べるにとどめた。

 ただ、その数時間後には政府が沖縄の緊急事態宣言を延長する方針を決めたと一斉に報道された。7月上旬にも、県が政府に対して「まん延防止等重点措置」への移行を求めた直後に緊急事態宣言の延長が決まった経緯もあり、政府と県の意思疎通については引き続き課題が見られた。

(記事・写真・図 宮古毎日新聞)

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