アルコール提供停止の煽りを受ける酒屋の窮状「もうこれ以上は…」

 

―飲食店には補償出ている一方で、酒屋などの事業者を対象にした十分な補償はまだありません。この点についてはどう思います?

 酒屋に対しては本当にない。ちょっとした補償があっても、5坪とか10坪とかの飲食店がもらってる額よりも遥かに少ないものだったりして、全然割りに合わない。
 カフェとかは営業してるのに、アルコールだけのせいにされても不平等さを感じるし、当然納得はいかない。酒はダメだと言うのなら、うちみたいなほとんど酒オンリーでやってる事業者に対しても、ある程度の責任はきちんと取るべきだと思う。そうしないと不平等と思うのは当たり前じゃないですか。規制するのであれば。ちゃんと酒の売り上げを調べた上で、それに応じた補償をなぜしないのか。

 飲食店は1日4~6万円くらい支給されている。店の大小にもよると思うが、それで食いつないでやっていける所はそれなりにあるでしょう。せめてその半分程度でもあれば、と思う。酒販組合も要請などで動いたりしているが、県の担当課も含めてこの現状を分かっていないとしたら、どういうことなのかという疑問しかない。

―酒類提供停止という措置については。

 今現在の雰囲気は「アルコールだけが原因」という印象になってきている。行政は感染拡大の原因のターゲットを酒に絞ることで、きちんと対策を講じなければならない現実からある意味逃げてるんじゃないか。感染対策のために「お酒を止めなければならない」という根拠は、まだきちんとした形で説明された覚えがない。だからこんなに納得もいかないし、今のこんな時期まで我慢させられたら、当然不満も溜まっていく。
 実際、現在進行形で売り上げは落ち続けてるけど、補償の見通しが具体的にあるわけでもない。こんな状況で居酒屋、飲み屋をストップさせるのは絶対におかしい。

 県も国も、これだけの時間が経ってもやはり現状を分かってるとは言えない。対応策として出てくる話には、現場の我々の感覚からすると「?」がいっぱい付く。もうオリンピックも間近で、完全にやる流れになっている。やるのはいいけれど、確実に感染者が増えることになると思う。そうなった時の日本全体の経済的な影響はもちろん沖縄にも波及すると思う。誰がその責任を取るのか。その辺りもひっくるめて、おかしいことだらけですよ。

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真栄城 潤一

投稿者記事一覧

1985年生まれ、那覇市出身。
元新聞記者、その前はバンドマン(ドラマー)。映画、音楽、文学、それらをひっくるめたアート、さらにそれらをひっくるめた文化を敬い畏れ、そして愛す。あらゆる分野のクリエイティブな人たちの活動や言葉を発信し、つながりを生み、沖縄の未来に貢献したい、と目論む。

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