12カ国に約400店舗!メガネの「OWNDAYS」本社が那覇にある理由

 
沖縄振興開発金融公庫(那覇市おもろまち)

 この融資を機に同社は破竹の勢いで成長し、債務超過を完全に解決させ、2018年には現在と同じ12カ国で事業を展開していたことから、それらの企業グループをまとめる法人を設立することとなった。一連の経緯から、田中社長が「その時の義理があります」と語る沖縄の「オンデーズ琉球株式会社」を「OWNDAYS株式会社」とし、グループの持ち株会社としての機能も持たせて“格上げ”することとなった。

名護のセール企画も契機に

 OWNDAYSが巨額の債務超過を抱えながらも再生を果たした転機の一つのなった舞台も、また沖縄だった。

 09年にフランチャイズ店舗増加の起爆剤として起死回生で仕掛けた「全品半額オープンセール」を初めて試みたのも、当時名護市東江にあった「OWNDAYS名護店」だった(現在はイオン名護ショッピングセンター内に移転)。この企画は同社の存在感を印象付け、その後の店舗展開を勢い付けることにもなった。

 2019年6月に全世界でちょうど300店舗目を達成した時の新店舗は、浦添市の「OWNDAYS サンエーパルコシティ店」でもあった。

浦添市の「OWNDAYS サンエーパルコシティ店」(同社プレスリリースより)

OWNDAYSは「もう沖縄の会社」

 「本社機能は必ずしも東京じゃなくてもどこでもいいんですよ。ユニクロは山口、ニトリは北海道、任天堂は京都に本社があります」と田中社長。本社の所在地として沖縄に登記しておくと、税収上でも沖縄に貢献できると考えている。

 もともとは東京が発祥の会社ではあるが「もう“沖縄の会社”だと言えますよ」と真っすぐ述べる。「沖縄のOWNDAYSで働くスタッフは100%沖縄出身です。最近では東京から管理職が送られることもなくなりました」

 県内にはショッピングモール内を中心に現在、20店舗を展開しており、人口当たりの店舗数は最多だ。田中社長自身も沖縄に愛着があり「毎月行っていますしね。将来的には沖縄に住もうとも思っています」と将来を描いている。

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