舞台芸術の創造性に触れ表現を学ぶ ワークショップ「創造力のタネ」

 
「葉桜」の本読みをする参加者。左奥の女性は娘役のふてくされたような態度に合わせて姿勢を崩しながらセリフを読んでいる

 1作目は大正~昭和にかけての時代を背景に結婚前の娘と母親の揺れ動く感情の機微を描いた「葉桜」。演劇経験者の参加者女性3人が旧仮名遣いに苦戦しつつも、抑揚をつけたセリフでの応酬を通して母娘の微妙な雰囲気を演じた。

 続いて2作目は自殺をしようかと悩む男2人が感傷的な会話を繰り広げる「命を弄ぶ男ふたり」で、舞台関係者の参加者と國仲さんが演じた。深刻な悩みを持ちながらも、どこか滑稽で情けない男2人の長尺の会話には時折参加者たちから笑いも起きた。
 演じた参加者からは「この時代の作品を読まなければ分からないこともある」という声があった一方で、「人間として変わらない部分も感じることができた」との意見も挙がり、それぞれに感想を語り合った。

 この形式でのリーディングカフェは、次回7月21日から来年1月まで計5回の開催を予定している。

コロナ禍の「気持ちの安らぎに」

「コロナになって、舞台芸術を見る機会も演じる機会も激減してしまいました。Stay Homeで家に篭もりがちなって、声を出すことができない状況が続いてますが、ワークショップで表現活動に直接触れ合うきっかけを積極的に作り出していきたいんです。色々なことを感じて、それが少しでも気持ちを安らげることにつながればと思います」と國仲さん。

 国も県も不要不急の外出自粛を呼びかけているが、芸術・文化に関わる表現活動は人間の心に豊かさを持たらす非常に重要な要素の1つで、決して不要なものではなく、むしろ必要なものだ。気分転換やリフレッシュのためという気軽な動機でもいいので、表現活動の現場で活躍している人たちと直に触れ合える貴重な場に行ってみるのも一興ではないだろうか。

 会場のてだこホールでは、独自の感染防止ガイドラインを作成して対策を講じており、ワークショップもそれ基に運営される。

 第2回は「倒立ワークショップ」を行う。緊急事態宣言を受けて、当初予定から日程を7月14日(火)に延期しての開催となる。次回も含めた今後の予定は詳細サイトで確認を。

【申込先】

<ネット専用フォーム>

◆リーディング・カフェ:https://docs.google.com/forms/d/1s5UtHuesbwZ8fgop6oOCtLDPfJRQWqJkd32U6Fh3cxw/viewform?edit_requested=true

◆そのほかワークショップ:https://docs.google.com/forms/d/1H2dxOKECklVznyG564P4IW3qR-scieSNLnr_yg7R39E/viewform?edit_requested=true(各回前日正午締め切り)

<電話>

てだこホール管理事務室 098-942-4360(9:00~17:00)

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真栄城 潤一

投稿者記事一覧

1985年生まれ、那覇市出身。
元新聞記者、その前はバンドマン(ドラマー)。映画、音楽、文学、それらをひっくるめたアート、さらにそれらをひっくるめた文化を敬い畏れ、そして愛す。あらゆる分野のクリエイティブな人たちの活動や言葉を発信し、つながりを生み、沖縄の未来に貢献したい、と目論む。

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