戦前戦後、変わる景色と変わらぬ空間 マチナトハウジングシリーズ③
- 2021/5/27
- 社会
八幡宮から新都心の高台まで出ると、シュガーローフヒル、安里配水池、そしてゆいレールおもろまち駅へと繋がる。実はこのおもろまち駅、ハウジング当時に「シュリ・ヒルズ・オフィサーズクラブ」という格式高い施設があった跡地に建っていて、当時ハウジング内に住んでいた退役軍人たちが、あまりの変わり映えに驚く場所の一つだ。
ちなみに、現ナハテラスは元々外資系のリージェント沖縄というホテルからANA系のパレスオンザヒルに変わり、1999年、新都心開発がようやく動き始めた頃にザ・テラスホテルズが買収しナハテラスとなった。当時はホテル北側に通りは無く、広大なハウジング跡地が原野のように広がるだけであった。しかし徐々に街づくりが進み道路も整備されると、施設を改修し北口エントランスを整備した。現在メインの入り口が1階なのか3階なのかよく分からない構造となっているのはそのためで、ここにもハウジング時代の残り香を感じることができる。
急速に開発が進められた那覇新都心。かつてマチナトハウジングであった名残を見て取ることは難しくなったが、現地へ足を運び実際に注意深く歩き見てみると、このエリアが歩んできた歴史というものを強く肌で感じることができるだろう。