戦前戦後、変わる景色と変わらぬ空間 マチナトハウジングシリーズ③
- 2021/5/27
- 社会
米軍から戻ってきた御嶽
タカマサイ公園からさらに下っていくと、泊小学校北側に今度は真新しい「黄金森公園」が現れる。
斜面を利用した高低差のある公園で、上側は高層ビルが立ち並ぶ新都心エリア、下側は昔ながらの泊住宅街というまさに新旧の色がはっきり別れる軍用跡地ならではのエリアだ。この高低差は、かつてそこが黄金森と呼ばれる神聖な森であった名残で、公園内にはハウジング時代にフェンスの内側にあった黄金森御嶽も祀られている。
家族連れで賑わう公園内で、御嶽部分だけは神秘的なオーラを発しているようにも感じる。御嶽の側には井戸もあり、水の神が祀られていて昔から大事にされて来た場所ということがうかがえる。
安里にもある名残
安里も戦後に地域の一部をマチナトハウジングに摂取されている。その名残として分かりやすいのが、安里八幡宮だ。
尚徳王が建立したと言われる琉球八社の一つ。八幡宮を尋ねると、神社の奥は険しい森となっている。この森を境として上側がマチナトハウジングであった。現在、境内から森の上に見えるのは巨大なツインタワーマンション。もちろんそれらはマチナトハウジング跡地に建っているのだ。